坂口良子「シルキー」

100円以上は間違っても払いたくないたぐいの、でも100円以下なら買っちゃいそうなレコードってあるよね。
坂口良子のシルキーなんかは間違いなくそれに漏れないものの一つだとおもうんだけど、100円だったからギリギリ買ってしまった。税込で105円だよ。ちょっと負けた気分。5円負けた気分。
そんな五円負けの坂口良子のアルバム「シルキー」について語らおうとしている私が居るわけだけど、このアルバム、けっこうやばいよ。やばいって、ひどいって意味だよ。良子やばい。
このレコードって初回はカラー盤なんだよね。私のはレギュラーの黒盤。曲数は6曲で体はミニアルバムなんだろう。しかも、このアルバム回転数が45回転。高音質仕様。良子なのに。高音質。高カッティング。音質だけとるとすげー音いい。絶対間違ってる。良子をこんな高音質で納めるなんて。罪すぎる。
だがこのアルバムの真の犯罪性はあからさまな非処女が処女かのような歌声で歌いやがる、その一点に尽きるだろう。「これ、今年堀越卒業の新人だよ」と言われればうっかり騙されそうなくらいのまやかしっぷりである。菊池桃子ぶっきらぼうになったような猫なでの良子歌唱はジャケットの良子見ると思わず「ふざけるな」とか、責任者呼んで事情を聞きたくなる様な、そんな印象なんです。なにがシルキーだよ、って思わず言いたくなります。そういう意味では名盤です。
曲が少ないってのも、いろいろ事情がありそうです。6曲のうち一曲はスキャットというか、良子がパヤパパいう曲だし。しかもこの曲(林哲司作)は明らかに木之内みどりの「Mon Amour.I Love You」の流用。 手っ取り早く済ましたかったのかな。とりあえず出しといてとんずらしたかったのかな。
こんなアルバム聞かないに越したこと無いけど、ふぐた評価は、名盤、としときます。

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