ENOENOENO

2023年過ぎてもう一週間たってしまったが、一応後で見返したいので記録用に。

とにかく訃報の多い一年だった。

で、一昨年(2022年)の暮れのブログよんだら、一昨年も訃報から書いてンのね。

小田嶋さんの。だいたい訃報を軸に生きてるのかしらね。

でいて、その一昨年暮れのブログの中で触れている人が去年二人亡くなってるのよ。

坂本教授と三浦徳子先生。ほんとデスブログとか言われないようにしなきゃね。

 

2013年は特に何に始まりってことはなかったが、ブライアンイーノが気になって旧作とかプロデュース作とかなんだかんだでよく聞いた。ブライアンイーノに関連するものはとにかくよく聞いてた。なんせyoutubeで検索すれば膨大なカタログがヒットするし、アポロとかCDで買い直したり、オブスキュアのハロルドバッドとのやつとかブライヤーズとか、挙げ句にはU2のunforgettable fireとかまで聞いたりした。ヨシュアトゥリーもレコードしか持ってなかったからわざわざリマスター盤買い直したり。それこそRoxyの時代からイーノの手のひらでたぶん、ずっと踊らされていたんだなと自覚しました。

 

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今陽子のラハイナ・ストリート、レコードストアデイのカタログにエントリーしていて、再発から経過したやつがかなり廉価になっていたので入手。これが所謂80年代歌謡ポップスの王道というか、ヒット曲としてシングルで売れるとかではないがアルバムとしては高水準な内容だった。アレンジが大村雅朗な時点でもう察し。リプレスの盤質クオリティも良質。(最近のアナログ盤のクオリティの善し悪しはかなり大きいので)

 

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ガゼボが急に聞きたくなって、というよりは小林麻美の「月影のパラノイア」の原曲「ルナティック」が聞きたくて入手。このアルバム、リリースが1983年。1983年にしては古めかしいチープなシンセポップで明らかに時代から遅れている。が、既にこのジャンルの手本が出尽くした頃でもあり、もはや美味しいとこ取りの内容で、聞けばすぐ元ネタもわかりそうな感じ。でもこのアルバムのコアの部分はメロの強さとリズムの軽さ。雨音は〜の原曲I LIKE〜のスネアなんか麻美ver.は重たいが、ガゼボは激軽。それがまたいい。

 

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My little loverのRe:evergreenもなんか気になって入手。2015年のリリース。まぁ、いろいろあった二人がデビュー20年後に再び、というわけだが、離婚後はお互いパッとしなかった二人がまた集結したわけですね。このアルバム二枚組で書き下ろしの新作一枚とオリジナルを再演したもう一枚からなる。正直、再録盤はオリジナル側が当時の雰囲気等加味しても完璧な出来だったので、今更再録してもそれを越えることはなくそれなりに。それよりは書き下ろしの新作側の方がよかった。オリジナルの20年後の世界を小林武史が自分目線で描いていく内容は、これを元嫁に唄わせるか〜と呆れもするが、この新作側の手法がまさにファーストアルバムのそれで、妙に生き生きしている。本来一度しか使えない手法をこういう形で二度使えたというのはこういう特殊な機会でしかありえなかっただろうから貴重ですよね。アルバムのトラックも、90年代の当時にシングルリリースしていたら確実にランキングに入っただろうトラックも多い。ファースト〜セカンドあたりを彷彿とする曲も多い。アッコのボーカルも当時より音程は安定しているが、妙に緊張感があり硬く感じる?かも。だた、夏からの手紙はテンポが速過ぎて苦手だ。こういう高速テンポな曲って星野源あたりから増えた?やな傾向だ。

また30年後、40年後にRE RE:、RE RE RE:とか続編を嫌がらせみたいに作って欲しい気もする。ある意味貴重な履歴になるようなならないような…。

それより1995年版、アナログにならないかなぁ。

 

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a-haのhunting high and lowのearly alternate mixの存在を知った。2015年のスーパーデラックスエディションが初出だったらしいが、見落としていたぜ。(2010年のデラックスエディションは持ってたので)この音源、意味合いどおりにとれば完成版の前段階のミックスということなんだろうが、なかなか面白い内容でファーストの仕上がりの過程が分かるし、特にトニマンプロデュース楽曲の仕上げ過程が垣間見れてよい。スネアの音色やリズムはまだ試行錯誤っぽいが、トニマン側のコアになるシーケンサーは既に固まっているし、hunting~のカモメの声やhere i ~のオペラっぽいSEがこの時点で既に入っているのも興味深い。後にa-haメンバーからファーストはプロデュースされたアルバムで自分の意見が反映されたアルバムじゃなかったからな〜的なコメントも出されていたが、この過剰な北欧感、ノルウェー感を導き出したトニマンの功績は偉大。2019年にレコードストアデイでアナログ単品再発されていたのを後で知り地団駄踏んだぜ!

 

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加藤和彦のあの頃、マリー・ローランサン高岡早紀ワークスから見直した加藤和彦ソニーからリリースされたこのアルバム。80年代のアルバムでも特に聞きやすく馴染みやすい内容。とにかくバランスがよろしい。今から聞こうとするならこれじゃない?

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日暮しの記憶の果実。杉村尚美(ex.サンセットメモリー)が所属したグループのラストアルバム。数年前に再発されていたがいつの間にか在庫切れてた。星勝アレンジが冴える70年代後期の空気感が詰まったアルバム。基本的には杉村尚美がボーカルだが、武田清一のニューミュージック系男性っぽいボーカルもいい感じ。メガネのヒロミツ系美形(中村幸雄)はボーカルとらないみたい。ちなみにトワエモアみたいに男女メインで一緒に唄う曲はない。杉村尚美もソロになって以降は結婚を機に29才で引退され、以降の音楽活動は無し。

 

 

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2016年アルバム再発時の星勝(左)と日暮しメンバー。星勝のヒゲグマぶりと右メガネ・中村幸雄さんも美形は健在。

 

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Peter Gabrielのi/oは期待が大きすぎたかなとおもう。良質な凡作。bright side mix、dark side mixの他にin side mixまでもがオフィシャルで存在するって、もはや作品への迷いの現れのようにも思えてしまうなぁ。ごめんね、ピーター。リードのPanopticomは間違いなく名曲だからぁ〜。

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ラジオ関連も。

TBS低迷続く。蓮見アナが離脱。TOP5初期メンバーが小林悠高野政所に続き、蓮見アナまでもが…。もはや呪われてるとしか思えん。政所氏はプロハンバーガーとして活躍中。

なんとなく赤江さんが辞めた理由が見えてきた。TBSは平日のラスト枠を無くし、その分を他の枠を引き延ばす形で補ったのだが、午後の昼枠が1時〜3時半が2時〜6時までに伸びた。たまむすびが継続されていたらこのタイムシフトに収まっていた筈だが、みんなが知る通り赤江さんまだ子育て中。三時半に終われば保育園にも間に合いそうだが、六時はさすがに現実的ではない。たぶんタイムシフト変更が理由ではないか。後続の石山蓮華はよく今のぐだぐだのTBSがこの人材を捜してこられたなと思うほどいい仕事をしていると思うが、赤江さんに比べ物足りなさは拭えないにしろ、予想よりはかなり上の内容を叩き出していると思う。

後は、どうせ変えるならいままでの失敗を認めてセッションは元の時間枠(10時台、現在の9時台)に戻して、宇多丸はそのまま6時からでよかったんじゃないかな。それはプライドにかけてやりませんか。

唯一よかった点はえんがわ。外山アナはもはやTBSラジオの良心。ついで長峰アナかな。堀井アナはフリーになってしまったがもっと重用すれば。

 

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去年は杉作J太郎先生も急性心筋梗塞心不全で入院された。ラジオは過去回の再放送で補填され、以外と早くに御大も復帰されたが、大変でした。

 

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あなたとハッピーの森永卓郎氏、膵臓癌ステージ4を公表。

 

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垣花にはホワイトバタフライズをちゃんとやり遂げる義務がある。バットは振り抜けよ。後悔するぞ。

 

youtube関連も

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バキ童チャンネル

九州男児の底力を思い知らされる。

家族エピソード(弟・父関連)が秀逸。

 

 

 

 

 

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ダメ派遣男まさお

 

九州男児の底力を思い知らされる。

エリカと奈緒美の物語が秀逸過ぎる。

 

 

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アル兄わかさチャンネル

尊師との掛け合いが秀逸。

 

とんちさんのお茶の間セッションは相変わらず見ている。

be honestは名曲

今年なにしてたかメモ。

近所の市民会館に小椋佳来たので行った。

華原朋美も来たので行った。

申し合わせたように私の往年のプレイリスト常連が来たのだから行かないわけ無い。

小椋佳に関しては過去記事で書いたので華原さん側をぼちぼち。

 

華原さんの相模原公演は今回のツアーの最終日。

最近のコンサートってもう、バックはオケなのね。ピアノパート以外は演奏者無し。

冒頭からバキバキのEDMに仕立て直された過去曲メドレーです。

リバウンドでふっくらな華原さん。TK時代から基本キーの高い曲が大半なワケですが、これは華原さんのプライドなのか基本原キーで歌唱。LOVE BRACEの最後の転調の「Carry on~ Carry on」はさすがに出ていなかったがそれでも下げずに歌うんだね。果敢だね。

選曲は満遍なく、でいてあまりアップテンポなナンバーは入ってなかったかな(keep yourself aliveとかtumblin diceとか。個人的にbe honestとかは唄って欲しかったが)。ピアノパートはバラード系がメインでしたが、真夜中のシンデレラが入っていたのはちょっと驚き。この曲ほとんどヒットしなかったし、当時テレビで歌っているのさえ見たこと無かったから。改めて聞いて見ると今の華原さんらしい曲なんだよね。

最終日は華原さんもリラックスムードだったらしく、ピアニストのお兄さんをいじって会場に来ていたピアニストの彼女をステージに(強引に)呼び出してスリーショット写真撮ったり、アンコールでは子供を抱えてステージに登場したり、TK時代の思い出話に花を咲かせたりしながらも、TKの名前を出したりTK時代の話はあまりするなといろんな方面から釘をさされているらしく、「ここだけの話だから、苦情来るから他では言わないで」と。なんと華原さん、今現在自身が設立した会社社長なもんで、結局苦情って直接自分に来てしまうからってことなんでしょうね。華原さんが社長する時代がくるなんて想像してませんでしたよ。

でいて華原さんの強みは以前所属していたオギプロの社長がいろいろ相談に乗ってくれているようで、今回のライブの開催や自身以外の楽曲の歌唱に関してもオギ社長に尽力していただいたとか。オギプロとは揉めてた時期もあったと思うが、こうやって関係が続いているのは華原さんの人徳ゆえなのかもしれませんね。来る仕事がバラエティに偏りすぎて私は歌手だ歌いたいというのが今回のツアーの動機になったようです。

あと私、最近の華原さんの動向あまり知らなかったんだけど、去年離婚した元夫とかなり揉めてたようでポルシェとか運用資金持ち逃げされたとか、慰謝料5億請求したが月10万しか振込無くお金無くて息子とカップラーメン分け合って食べてたとか、一時ダイエットに成功したのはダイエットじゃなくて離婚やつれだったとか…。後半はどこまで本当なのかわかりませんがそういうことだったようです。

自身以外の曲はglobeのdepartures安室奈美恵のCan you celebrate、TKこねっとのyou are the oneなんかを歌っていた。

それぞれに香ばしい裏話をしていたけど、書いていいものか…なので(華原さんて過去に何冊か本出してるから、その中でもしかしたら書いてるかも知れないが)。デビュー曲のプロモ撮影は二日貫徹で行われ、その後寝ないでTKはhey hey heyに行ったとか、Can you celebrate?みたいな曲が歌いたいとねだったらhere we areが来たとか。TKこねっとのころは当時小室ファミリーとか言われてたけど実際はみんないい曲がほしいからバチバチの関係だったとか、you are the oneの歌手順を構成したのは私だったとか…。まぁそんな感じ。

ピアノパートのLOVE BRACE、you don't give upの冒頭でキーが全く合わずジャイアン状態になったのは、「イヤホンに音が来てなかった」と言い訳していたけど、それも含めて華原さんらしいコンサートでしたよ。アンコールのI'm ProudはオリジナルオケだったがTKコーラスはoffだった。安室さんは以前NHKで放送されたライブでTK逮捕直後もbody feels exitのTKコーラスONで歌ってたよな。まぁそれぞれ事情は違いますが…。

 

そうそう、ライブ中盤の華原さんのお着替え休憩中にピアニストのお兄さんが「summer visit」をソロで弾いていたのだけど、あれよかったよね!

 

大人になれば

www.youtube.com先月のモリの東京公演のフル動画が上がってるわ。もうブートいらずね。

細かい情報は全く知らないし、近年のアルバムは追ってないので、今のモリのバックメンバーがどういう感じなのかよくわからないのだけど、スタジオミュージシャン級の手練れを引き連れているのは容易に分かる完璧な演奏だわ。スミス時代を含め過去のバックは上手い下手は置いといていろいろクセのある演奏をしていたが、このメンバーはクセらしいクセがない。そんな完璧なバックに支えられてモリのパフォーマンスも充実しまくってるね。一曲目にwe hateとか最高だな。他公演はhow soonが多いイメージ。we hateとsuedeheadで完全につかみ持ってかれる。スミス時代の曲も満遍なくぶっ込まれて、近年の知らない曲でさえ、数回聞けばすぐ覚えられるだけの良曲ぞろいだな。

この日本公演で特筆なのは、全体的にパフォーマンスが紳士的というか、モリって昔のスミス時代の代表曲とか歌うとき、すごいふざけた崩した下品な歌い方したりするんだけど、わりとちゃんと歌ってる。他言語圏への配慮か?モリも大人になりました。

speedwayとかjack the ripperやってるのも嬉しいね。ユアアーセナルとかvauxallはほんとよく聞いてた。

 

www.youtube.comこの曲、サムソン高橋と能町みね子にカバーしてもらいたいな。

ピーター・ガブリエルのニューアルバムが出るよね

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来月頭に出るので久方ぶりに新作を予約なんてこともしてみました。ほんと、久しぶりです。リリース数年後に聞くなんてこと最近普通でしたからね。

今回のニューアルバム、大方というか、既に九割の楽曲は自身のYouTubeチャンネルで公開済みというか、今年初めから満月の日に一曲づつ公開していたので、メディアとして発売はしていないが、楽曲としては既に公開済みということになり、アルバムの全貌はほぼ明かされているということになります。ラストの一曲ですべてのパーツが揃う、それが来月頭であり、メディアとしてのリリースもそれに合わせてされるという恰好なんでしょう。リリースまで内容が分からないのが普通だった時代から思えばえらい時代になったもんだともおもうが、これもサブスクとかアップロード等を逆手にとったやり方なんでしょうね。なにしろ漏洩みたいなことも意味を失いますし。

今回の新作、既発曲の内容から察するに前作「up」ほどのディープさでは無くともディープさは継承しており、ミディアムテンポの壮大な楽曲が多くを占めている印象。「road to joy」「olive tree」のような軽快なナンバーもあるが、やはり全体としてはヘビーさが勝る。でも、前作より、明らかに往年のガブリエルらしさはでているし、衰えも感じない。よく出来た内容だと思う。

今回のアルバムのちょっと困ったところはbright side mixとdark side mixの2パターンが用意されている点。CDは2枚組で済むが、LPは2枚組が2セットとなり、CDと同内容を揃えるとなるとCD3セット分の価格に。それでも買うのがファン心理。でいてそのミックス内容が劇的に違うのかというと、そうでもない。強いて言えばブライトはエコーが深く穏やか、ダークは明瞭でタイト。もちろんアレンジも若干変えているとは思うが、曲によってはどちらのミックスなのか判別に迷うレベル。たぶんブライトサイドを選べば無難な気もするが結局は好みなのでどちらとも言い切れず。コアなファンは2種も聞けてうれしーとなるはずだか、どちらを軸にしていいものか、もしくは聞き込むにつれて2つに分けた意義が見えてくるのか、それは後の楽しみに。

YouTube版は若干音質を落としているなと思える内容なので、兎に角メディアでちゃんと聞かないと死ぬに死ねないし、どんなふうに鳴ってくれるのか楽しみすぎてついつい書いてしまった。

 

追記:リリースされるまではあまり聞き込まないようにしていたのだけど、現在公開されているブライトサイドとダークサイドのそれぞれのミックスをカーステでそれなりの音量でかけてみると印象が真逆になった。ブライトサイドミックスはベースやバスドラなどリズム系低音域がかなり深く強い。全体もアグレッシブでメリハリが利いていて、ダイナミックレンジも広く感じる。HIFI感があり迫力はあるが、やや聞き疲れする音かな。かわってディープサイドミックスはブライトに比べてナローな音というか、一見音質が悪く聞こえてしまいそうだが、纏まりがあり聞きやすい。音が暴れない。結果、ブライトが明瞭でタイト、ダークが穏やかで纏まって大人しいという印象になりました。私が聞き込みそうなのはダークサイドミックスかもしれない。

 

追追記

ダークサイド、ブライトサイドとは月の満ち欠けに対しての解釈だとどっかに記載されているのを読んだ。単純に言えば「新月/満月」ってことかな。

 

つーか、まだ届かないんだが。

 

追追追記

届いて聞き始めています。せっかくのアナログ盤ですが、REALWORLD名義のUS盤なんだとおもうんだけど、正直、盤の音質はイマイチです。せっかくの重量盤で、片面三曲刻みの深掘り仕様なんだと思うんだけど、一聴してわかる音の立ち上がりの悪さと分離の悪い団子状の音。カッティングが悪いんだと思う。わざわざアナログ買う必要は無いかも。円安だからいま輸入盤すごい高いのよ。円安ほんとどうにかして。選ぶならUK盤か、ドイツ盤も流通しているようだから、そっちのほうが希望はあるかも。紙製内袋の内側にナイロン付いてるのはよかったけど。紙製内袋は静電気で密着してこすれて傷になるから。新品は特に。

救いはダウンロードコードが付いていて、96kHz/24bitのハイレゾ音源がダウンロードできるんですね。これはもうストレートに完璧な音像。

今回のアルバム、改めて言うと、PGカタログの中ではトップクラスに中庸というか、角が取れた、すげーふつーって感じの内容なのね。既聴感というかところどころ聞き覚えがあるような音や展開とか、いままでのPGならまず無かっただろうっていう箇所がわりとあり(聞く側の耳が肥えすぎたってのもあるが)全体として目新しさがそれほど無いのよね。行き過ぎちゃって退屈になった前作「UP」の反省なのか、まろやかで分かりやすい当たり障り無い仕上がりになってます。ただですね、このお年を召されましてなおこの声質をキープされているという点に於いてはですね、感服と思います。ボーカリストとしては全く衰えを感じさせません。本作はそこのところの安心感に尽きるかも知れません。22年のブランクと言われますが、これだけ歌えればまだまだ行けます。

 

小椋佳を見に行ってきた

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近所の会館に小椋佳が来るというので、この機会を逃すともうアレかなと思い、行っちゃったんだけど。事前情報というか、近年の小椋佳の活動とかなーんも調べずに行ったの。まぁ、調べても行ってたと思うんだけど、やっぱ小椋佳一度は拝みたいじゃない?だって寺山修司に見出されてデビューした小椋佳ですよ。しまいに星勝プログレやってた人だよ。

それに思い出したわ。私、Yahoo!以前にやってたブログで小椋佳の写真集アップしたことあったわ。残念ながら母体サーバー終了と共に消滅してしまった。写真集といっても小椋佳のインストレコードに付いてたプチ写真集なんだけどね。全盛期の小椋佳はもう、ただ抱きしめたいという佇まいだったわよ。

HDD検索したら発掘出来たわ。見直したらけっこう酷いこと書いてた。ごめんね佳ちゃん。せっかく発掘したのでキャプチャだけどアップしとく。ちなみに2007年頃にアップした内容。

 

 

どうだった?好きになった?私はベンチのショットが好きよ。

 

それにしても今はいい時代で、こんな全盛期の小椋佳を動画で見ることが出来るんだから、私も初めて見る動画よ。

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昭和51年(76年)放送。(当時32才)
いいよねー。実にいい。ビジュアル系です。小椋佳は正にビジュアル系。
この公開ライブは3000人程度の募集に約11万人の応募が届いたとか。わかるわー。
当時の小椋佳は媒体に宣材写真をほとんど提供していなかったらしいので、テレビでのご本尊のご開帳にさぞかし世間はときめいたことでしょう。

 

www.youtube.com91年のライブ。当時47才。

 

で、今回の公演に近い内容の小椋佳がこちら。

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実は佳ちゃん、去年のこのファイナルツアーを最後にコンサート活動は終了する予定だったそうで、「ツアーが終わった翌日にばったり死ねたらよかったんだけど」と予定が狂った?みたいなことを言っていて、今回の公演はご自身でも「一度(コンサートを)辞めると言っておきながらまだ稼ごうとか強欲な奴だと思われるかもしれませんが」なんて自虐していましたが、そういった具合なので、ほんとに余生のおまけの終始老人自虐トーク満載のコンサートだった。歌唱はこのファイナルコンサートよりも更に不安定で本人もステージに登場した時点で「最後まで歌えるかどうか…」とか言っちゃうくらいなので、観客全員が小椋佳の具合を見守るような心境で、晩年の志ん生とかそういうレベルだった。バックはアコギとフルートとキーボードの編成。メンバー紹介は無し。リズムとかはオケで流してそれに合わせて演奏している感じ。2曲おきにトーク。近年のツアー用に作られた新曲を起と結に置いて、あとは往年の代表曲と提供したヒット曲で構成された内容で新曲以外は全部知っている曲だった。プログレ期の傑作「めまい」もやってくれたのでよかった。それにしても佳ちゃん未だにヘビースモーカーで一日にタバコ40本吸うとか、ライターを散々探して諦めたら手にずっと握っていただの、下肢の血流が悪くて半年に一度手術を受けているだの、孫と遊んでも10分で疲れるだの、自虐ネタは豊富。佳ちゃん御年79才。

曲に対しての裏話なんかも、「少しは私に愛を下さい」は恋愛の歌ではなくて、小椋佳が銀行の海外留学制度を使ってカナダに行ってる時に、何の連絡もなく他銀行と合併した事に対しての怨み節だったとか、「めまい」の一節「時は私にめまいだけを残して行く」は小椋佳の銀行時代の同僚であり画家、詩人の友人が作ったフレーズを「これいいね」と頂戴して作ったとか。その曲が売れた印税をその友人に分けて海外への渡航に使っていたとか。そんなことが当時の銀行員に許されたのか、許されませんねみたいな話をしていた。その友人は現在パーキンソンを患っているとか。正味一時間半程度のコンサートでしたが、今の小椋佳を鑑みればこれでも上等ではないかしらと思えました。ほんと見られる時に見ておかないと、私自身だってこの先どうなるかわかんないんだから。