明菜のSACD

今回の明菜のSACDは音の良さが別次元だわ。どーせ明菜だし適当にリマスターして詰めこんでんだろって舐めてたけど(新規2012年リマスターとかいってるけど、2006年リマスター踏襲しただけみたいなものかと単純に思っていた)ちゃんとしてる。手持ちのCDで一番音質的に気になっていたワーナーでのラスト作「クルーズ」を聞いているが、あんなに無理のあった音像が整然としているわ。整然とするもんなんだね。驚いたわ。整然としないものだとおもっていたから。ちょっと怖くて他のアルバム聞く気になれない。特に前回のリマスターは惨敗だったファーストの「プロローグ」とか怖くて聞けない。そのままリアル惨敗だったらショックでかいじゃん。

ポシビリティ」。こちらは素直な音質。「クルーズ」ほど劇的な感じはしないけど、歪み感のないハイハットは感動レベルかも。「十戒」なんか音の分離よすぎて宅録にむりやりストリングス被したようなチープなんだか贅沢なんだかよくわからない高中正義になってるわ。

「D404ME」。これは評価わかれるかも。このアルバムはアナログから聞いてるから当時から独特なルーズな音だと思っていたけどCDでは大人しかったから。アナログのあの破裂したような浮いたペシペシ感が甦ってる。元からやや歪みのある音なのでこのアルバムにかんしては高音質というのは違うかもしれないがまさにこの音だと思う。久しぶりに聞いたけどいいわ。ある意味でとても80年代っぽい音質。低音は意外と含まれてない。ラストのミ・アモーレで急に抜けたラテン音質になるのもおもろい。

「ANNIVERSARY」これは高音質。ポシビリティに近いと思ったけど、こっちの方が音いい。おおもとのミキシングが真っ当。音の配分配置やバランスに違和感を全く感じないわ。これがナッソー録音の恩恵なのかしら。このアルバムはだいぶ後(免許とった後)にハードオフでアナログ買ったのが最初でかなり聞いた。印象はそれに近いな。「シャットアウト」のなんと歯切れの良いこと!

「CRIMSON」これは発売当時はアナログで、後にCDで聞いて音の痩せ具合に失望した記憶がある。それ以来CDでは聞いていないのよね。ひっさびさに聞いたわ。これはすっごい音いい。驚愕。クルーズと同様に整然としていなかったものが整然とした感じ。後期のアルバムは音質改善著しいかも。そもそもクルーズやクリムゾンに劇的な音質向上なんて微塵も期待してなかったから寝耳に水。

いまのところ音質向上で選ぶならクルーズ、クリムゾン、そもそも高音質で選ぶならアニバーサリー、元に忠実ならD404MEを薦める。

それ以外は随時。

「バリエーション」。名盤だからね、音質なんて二の次で聞けてしまいますけど、高音部のとっちらかりがCDのようにシャリシャリにならず、ひたすら伸びはする。でも音の雰囲気は06リマスターのCDでもそれほど違わない気がする。

「Stock」全然印象違うぞこれ。このアルバムはLPでしか聞いてないけど、SACDはなんて余裕のある音の響き方。頑張りすぎてる音の出方じゃない。レンジ広いわ。シングル没曲を詰め込んだらしいアルバムみたいだけど、どう聞いてもそうは聞こえない内容だよね。途中まで聞いたけどやはり断念。

「BEST2」整理整頓された音。1音1音が聞き分けられる。だけど総体としてシングル曲ってそれほどレンジの広い曲が多くなく06リマスターならCDでもさほど印象かわらないかも。

再び「クルーズ」やっぱり素晴らしい。このアルバムからこんな重低音出てくるとは思わなかった。なんといっても明菜の声が凄くよく録れてるし。私個人として今回のリマスターの一番を上げるならダントツでクルーズ。←このアルバム、ニューヨークのヒット・ファクトリーで録音してるみたいだ。その恩恵なのかしら。


他のアルバムはたぶん似たり寄ったりだと思うので傾向で判断して。

クルーズ、CD層でも聞いてみた。十分高音質だけどSACDはさらに上行ってる。

ファム・ファタール」この頃は明菜に興味失っていた頃でこのアルバムは未聴。だけど、今回のリマスターで後期の海外録音ものの音質が別格にいいので聞いてみた。これも非常に高音質。惜しむらくは内容が安い打ち込みのダンスポップだってこと。SACDの恩恵は十分あると思うけど問題はこの音をこんな高解像度で聞くことにどれだけの価値を見いだせるかどうかだな。

「NEW AKINAエトランゼ」よくもこのジャケ写でオッケーでたよなの4th。内容は皆さん御存知の通りのアレですので海外レコーディングという一縷の望みにかけて。音いいです。アニバーサリーよりは落ちるけど分離、定位良好。鮮明。

「プロローグ」開けてしまった…。このアルバムはもともと音が、耳にキンキンくるのよね。特に声部分が。この声がキンキンくるってのはデビュー時のアイドルのシングルなんかではけっこう印象に残ってとにかく聞く側に無闇に飛び込んでくるので希求力はあるのだろうが、時を経て聞くとけっこう粗として目立ってくる。だけどプロローグ、思っていたよりは音質悪くなかったわ。それなりにだけど。過度の期待は禁物。でも、これが限界なんだと思う。聞き込むと鮮明度ではCDとは雲泥の差だわ。歪み感がないので声のキンキンっぷりもだいぶ軽減している。

総じて国内録音のは音は分離して鮮明になるけど平面的で奥行きがイマイチ。海外レコーディングのはそれにプラスして奥行きが増して臨場感が増す。国内、海外のスタジオの技術(エンジニアの腕?)の差が明白に判る面白いボックスになってます。そもそもが音質では一番微妙な時期の80年代の録音なわけで過度の高音質は期待できずともSACDの恩恵は十分感じられるし。

「Cross my palm」チープなまま高音質・高解像度。音が柔らかいので聞きやすい。


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