ピーター・ガブリエルのニューアルバムが出るよね

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来月頭に出るので久方ぶりに新作を予約なんてこともしてみました。ほんと、久しぶりです。リリース数年後に聞くなんてこと最近普通でしたからね。

今回のニューアルバム、大方というか、既に九割の楽曲は自身のYouTubeチャンネルで公開済みというか、今年初めから満月の日に一曲づつ公開していたので、メディアとして発売はしていないが、楽曲としては既に公開済みということになり、アルバムの全貌はほぼ明かされているということになります。ラストの一曲ですべてのパーツが揃う、それが来月頭であり、メディアとしてのリリースもそれに合わせてされるという恰好なんでしょう。リリースまで内容が分からないのが普通だった時代から思えばえらい時代になったもんだともおもうが、これもサブスクとかアップロード等を逆手にとったやり方なんでしょうね。なにしろ漏洩みたいなことも意味を失いますし。

今回の新作、既発曲の内容から察するに前作「up」ほどのディープさでは無くともディープさは継承しており、ミディアムテンポの壮大な楽曲が多くを占めている印象。「road to joy」「olive tree」のような軽快なナンバーもあるが、やはり全体としてはヘビーさが勝る。でも、前作より、明らかに往年のガブリエルらしさはでているし、衰えも感じない。よく出来た内容だと思う。

今回のアルバムのちょっと困ったところはbright side mixとdark side mixの2パターンが用意されている点。CDは2枚組で済むが、LPは2枚組が2セットとなり、CDと同内容を揃えるとなるとCD3セット分の価格に。それでも買うのがファン心理。でいてそのミックス内容が劇的に違うのかというと、そうでもない。強いて言えばブライトはエコーが深く穏やか、ダークは明瞭でタイト。もちろんアレンジも若干変えているとは思うが、曲によってはどちらのミックスなのか判別に迷うレベル。たぶんブライトサイドを選べば無難な気もするが結局は好みなのでどちらとも言い切れず。コアなファンは2種も聞けてうれしーとなるはずだか、どちらを軸にしていいものか、もしくは聞き込むにつれて2つに分けた意義が見えてくるのか、それは後の楽しみに。

YouTube版は若干音質を落としているなと思える内容なので、兎に角メディアでちゃんと聞かないと死ぬに死ねないし、どんなふうに鳴ってくれるのか楽しみすぎてついつい書いてしまった。

 

追記:リリースされるまではあまり聞き込まないようにしていたのだけど、現在公開されているブライトサイドとダークサイドのそれぞれのミックスをカーステでそれなりの音量でかけてみると印象が真逆になった。ブライトサイドミックスはベースやバスドラなどリズム系低音域がかなり深く強い。全体もアグレッシブでメリハリが利いていて、ダイナミックレンジも広く感じる。HIFI感があり迫力はあるが、やや聞き疲れする音かな。かわってディープサイドミックスはブライトに比べてナローな音というか、一見音質が悪く聞こえてしまいそうだが、纏まりがあり聞きやすい。音が暴れない。結果、ブライトが明瞭でタイト、ダークが穏やかで纏まって大人しいという印象になりました。私が聞き込みそうなのはダークサイドミックスかもしれない。

 

追追記

ダークサイド、ブライトサイドとは月の満ち欠けに対しての解釈だとどっかに記載されているのを読んだ。単純に言えば「新月/満月」ってことかな。

 

つーか、まだ届かないんだが。

 

追追追記

届いて聞き始めています。せっかくのアナログ盤ですが、REALWORLD名義のUS盤なんだとおもうんだけど、正直、盤の音質はイマイチです。せっかくの重量盤で、片面三曲刻みの深掘り仕様なんだと思うんだけど、一聴してわかる音の立ち上がりの悪さと分離の悪い団子状の音。カッティングが悪いんだと思う。わざわざアナログ買う必要は無いかも。円安だからいま輸入盤すごい高いのよ。円安ほんとどうにかして。選ぶならUK盤か、ドイツ盤も流通しているようだから、そっちのほうが希望はあるかも。紙製内袋の内側にナイロン付いてるのはよかったけど。紙製内袋は静電気で密着してこすれて傷になるから。新品は特に。

救いはダウンロードコードが付いていて、96kHz/24bitのハイレゾ音源がダウンロードできるんですね。これはもうストレートに完璧な音像。

今回のアルバム、改めて言うと、PGカタログの中ではトップクラスに中庸というか、角が取れた、すげーふつーって感じの内容なのね。既聴感というかところどころ聞き覚えがあるような音や展開とか、いままでのPGならまず無かっただろうっていう箇所がわりとあり(聞く側の耳が肥えすぎたってのもあるが)全体として目新しさがそれほど無いのよね。行き過ぎちゃって退屈になった前作「UP」の反省なのか、まろやかで分かりやすい当たり障り無い仕上がりになってます。ただですね、このお年を召されましてなおこの声質をキープされているという点に於いてはですね、感服と思います。ボーカリストとしては全く衰えを感じさせません。本作はそこのところの安心感に尽きるかも知れません。22年のブランクと言われますが、これだけ歌えればまだまだ行けます。