Fayray「Craving」

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三枚五百円で購入(内訳=fayrayロッキー3サントラLP、エルマロ「freeze」)。フェイレイのアルバムって「genuine」しか聞いたこと無かったのだけど、浅倉大介満開時のこのデビューアルバム、ずっと気になっていたのだ。だけど、シングルの「ユラユラ~バイブレーション(超名曲)」は持っていたし、当時聞き倒していたのでそれでおなかいっぱいにもなっていた。フェイレイはこの一曲あればもういいってくらい良かったから。あれ。で、そのセカンドシングルも含むファーストアルバムであります。浅倉大介サウンドって、当時隆起していた他の打ち込み系プロデューサーの音の中でも最もデモテープっぽい音というか、
(規則的?フラが全く無い)というか、とにかく流行とか海外のそれ系音楽からの影響ってのを全く感じさせない、なんというのだろう、一種純粋培養的にキーボードから生まれてきたような音楽だなぁと思う。J-POPって観念が仮にあるとしたら、その範疇からまったくはみ出すことのない音。そんな無菌室的なサウンドの中でフェイレイのツンツンぎみのボーカルは高飛車オネェ系歌謡をあつらえるにはもってこいの素材って感じで、サウンドに飽きる飽きないってのを除けばけっこう相性は良かったのではと思う。当時でさえ時代性のなかった浅倉サウンドですから、もうすぐ10年って今聞いても印象としてはそれほど変わりがありません。セカンド以降の印象の薄かったシングル群も今聞くとなんで売れなかったのかってのが良く理解できます。やっぱり勢いのある曲ってのは数続きませんよね。フェイレイ自身も、後のシンガーソングライターとしての片鱗を全く感じさせない優等生ボーカリストに徹しております。ソングライター期の「baby if」、大名曲だとおもうけど、あれに匹敵する曲、あれ以降出なかったね。あの路線で確立できていたら、往年の阿川泰子級のおじ様殺しになれたような気もするのに惜しいね。
吉本は飼い殺してたテイ・トウワ松本人志の映画サントラという場でやっと使うことが出来たようだけど、チッチキチーがちょっと流行って小室がプロデュースしたのとかも全くもって滑ったし、フェイレイも精細ないとなると音楽系は有ってないような、見て見ぬふりみたいな状態になっているところがもったいないね。せめて立ち上げたところだけでも力入れてもらいたいもんです。