笠井紀美子「TOKYO SPECIAL」





1977年作。大橋純子のセカンド聴いた直後だから、なんだか大橋純子が気の毒に感じる。
かといって、こちらのアルバムも笠井紀美子の中では異例中の異例の異色作らしいからこの時期は特にこういうのが求められてたのだろう。考えてみればこの時期でさえ大野雄二みたいな御大は活躍していたわけだし、そういう意味では大橋純子は不遇だったのだろう。
このアルバムの狙いはとても的確かつ、達成できているレベル。
誰もがシティポップ的なアルバムであることは想像できるだろうけど、笠井紀美子のボーカルの浮遊感、空気感、全曲の作詞は安井かずみだが、不思議なほど言葉がすり抜けていく。英語で聞いているかの如く。こんなに日本語の湿気を含まないボーカルって、このアルバム、当時一般的にはあまり評価されなかったんじゃないかしら?でもこういう洗練って正解だと思う。所謂、歌謡やフォークやロックのニュアンスを全く感じさせないボーカル。そりゃジャズ畑のひとだから当然だと言われそうだけど、けっこうそういう事できそうで出来てない人が多いよ。そのくらい日本語って重い。やはり、ボーカルの解釈とセンスってのはこういうところに出ますね。





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