中森明菜「氣氛歌謡」ムード歌謡カバー集

明菜様のムード歌謡カバーアルバム聞いてます。みなさまどのように感じました?なんとなく華やかさが戻って良かったなと思いました?演奏も芯が強くていいとおもいました?明菜様のけだるいボーカルも湿りすぎずいい感じと思いました?

いや、これは一つの正解でしょう。現時点でいう真っ当と言われるものです。これまで続いた悪いアルバムに比べたら桁違いにいいのはわかる。このアルバムは売れるんじゃないか?と思う。きちんとプロモーションさえすれば。

だけどですね、この方法論は、ラテンをロックでデコレートして歌謡とするこの手法は、近年乱造された「昭和歌謡的な昭和歌謡ではない代物」であって、昭和歌謡に対するコンプレックスをロックとかポップスとかラテンで昇華しようとする、昭和歌謡本来の肌触りの欠落した音楽で私的には残念なものでした。なので歌謡の下世話さも猥雑さもこのアルバムで感じることは出来ないのだけど、変なキーボードが鳴ってたり、凡庸なオーケストラで弛みきったこれまでのカバーシリーズよりはましなのは確か。大多数の人はこれで満足出来るのではと思います。明菜の歌唱も抑え気味ではあるけれど、さりげない感じでうまいこと欠点を隠しているし。無難にうまいこと仕立てている。目論見とマーケットとサウンドが明菜様なのにかなりいい線いってる。「こういうのやればうけるんじゃないか?」という姿勢が見える。なんだかんだいって通しで全部聞けてしまったし。

そもそも私が思い描く「昭和歌謡然とした昭和歌謡」なんて幻でしかないのかもしれないし。明菜様がここまでやってくれたんだからよしとしますよ。

とりあえずドラムはダメだね。かなり。ドラムを抑えた曲は仕上がりいいの多い。