中森明菜「DIVA」

オリジナル最新作聞いてみました。
ファン間では評判よさげな今回のアルバムなのですが、なるほど2000年代の明菜のオリジナルでは一番出来がいい。2002年の「Resonancia」はラテンなのに華やかさ皆無の、終始もごもごしたアルバムだったし、2006年の黒木瞳とのとんでもないドラマ出演というエポックもあった「DESTINATION 」も前作を踏襲したような華やかさに欠けるアルバムだった。今回のアルバムも劇的に華やかかと問われればそうでもないが、曲のキャッチー度は明らかに高く聞きやすい。単純にサウンド面を解説すると、ブリトニー・スピアーズの最新作とここ数年の安室とトミー・フェブラリーが合わさった様な音。聞きやすいはずです。だけど特に上記のブリトニー、安室に関してはかなりとんがった音作りの結晶的な作品であるわけで、そういう意味での鋭さは残念ながら敵っていない。歌唱がものすごく弾けているかというと、やはり近年明菜の落ち着きというか、平熱より冷めた感じのそれであり、それを「COOL」とかいうならどうぞご勝手になのだが、微妙に惜しい感じがする。だいたいこういう楽曲を明菜様が歌う必然性をあまり感じないし、いままでの明菜楽曲よりBPMが速いこれらの楽曲をステージで明菜様歌えるのかなあと単純に疑問。こういう音楽に付随するダンスって明菜様が得意とするバレエ的な優雅なものではなく、R&B的なハードなものでしょ?ファッション的な部分も含めて難しいんじゃないかなぁ。その辺はいくらでもごまかし利くか。歌詞の英語率も高すぎてぜんぜん楽曲に感情移入できんというか、その辺はここ最近のアルバム全てがかかえた問題ですね。歌詞をかける作家がいないということなのでしょうかね。
なんというか、今の明菜様なら「FAREWELL」みたいな曲をばんばん歌うべきだと思うんだけどなぁ。「明菜復興」は最優先事項ではありますが、私は「明菜DNAの最降臨」こそが今後の明菜様の歌手人生を円滑に行う上での最前提であるとおもうのだけど。そういう意味で「艶華」にはすごく期待していたのにあの始末だったから、かいかぶりすぎなのかもしれませんね。
とりあえず、2000年代でのオリジナル最高作とだけは断言しておきます。