70年リリース。曲間のSE、子供の演劇、インタビューなど、繰り返し聞くには少々辛い素材も含まれているけれど、これがないじゃないで淋しい感じにもなりそうだ。当時の雰囲気を伝えていると言えばそういう感じだ。アングラだなんだというわりには曲は非常にキャッチーで、いわゆる歌
謡曲というくくりでも十分に通用するような立派な歌ものとしても作用しているところがこのアルバムの強み。「ちっちゃなときから」「前科者のクリスマス」などのやさぐれたロック感覚など、十分かっこいいし、なかばスタンダードな「夜が明けたら」「かもめ」「愛さないの愛せないの」など、やっぱり曲の水準が半端無く高いのが未だに聞きつがれている理由の大半であろうと思う。90年代半ばの「音蔵シリーズ」で再発されたこのＣＤも浅川マキ本人が音質にクレームをつけて全て廃盤になっている。（私感としてはそれほど悪い音質でもないとおもうのだけど、たぶんもっと違う次元（質感？）みたいなものの問題なのでしょうか）ダークネス・シリーズも完結したことだし、できることなら音質を改善した形でオリジナル盤の再発を願わずにいられないのだけど。
