ライド・オン・すぱな

車のタイヤの空気が三日で抜けるので抜けきる前に空気の補充をくり返していたのだけど、それが二日になり、ついに一日にまでになった。パンクなのかしら?昔、パンクかとおもって持ち込んだらパンクじゃなくてどっかが緩んでるだけでパンクじゃないのに四千円とられてからすぐにパンクだと思わないクセが付いた。一昨年は前輪にボルト刺されたしね。相模原。しかもパンクの修理三回すれば新品のタイヤ買えるし。買った方がいいわ。ほんとタイヤの悩みは尽きないわ。
とりあえずスペアタイヤでしのぐことにした。でも、昔、それをやろうとしてボルトのあまりにもの硬さに挫折したことあるので、そんなことが頭をよぎりながらも夜の駐車場に蚊取り線香と軍手と懐中電灯をもって向かうのよ。さっそくスペアタイヤやらスパナやら車うかすやつとか後部から取り出して、交換するタイヤ部分を浮かす。浮かし始めたら車が変な軋み音を出し始めたので、固定したところが端っこすぎたみたい。ずらしてやり直し。再び浮かしてスパナでタイヤのボルト緩めようとするも全く、びくともせず。玉のような汗がメガネに落ちてちょっとしたデジャブと五里霧中。死にたいなーって思いながら、これは何処かで力が逃げているのかしらと再びタイヤを地面につけて再度チャレンジ。上のボルト二個が奇跡的に外れる。あーもうこれ奇跡。二個はずれれば立派だよ。もう私頑張った。どうにもならなかったけどね。止めようかな、でももうちょっとやってみようかなと限界に向かって秋のセミのように命を燃やしていても埒空かないわ。死ねッてことね!いいわよ!死ぬわよ。ってかんじで不審もここまで堂々としてれば立派よね。もう、手を使うのも嫌になって、スパナがんがん足で蹴り落としてもびくともしない。それならもう、スパナに乗っちゃえ。乗ればいいんでしょ。乗るわよ。乗りました。カクンと緩みました。残る一個も乗ったらカクンと緩んだ。なんだ、スパナって手で使うものと思ったけど、足で乗るものだったのね。私、いろいろ勘違いしていたわ。どうりで乗りやすい長さになっていると思ったわ。ライド・オンね。
それからは今までの所行がうそのようにすんなり終わった。タイヤ一個に一時間も格闘したのよ。
お店でしてもらうんだったわ。




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