大将、女子高生に足止め

先日、電車に乗ろうと扉に近づいたら、扉が開くとともなく青年が二人降ってきた。背中から降りてきたのだから、降りると言うより降ってきたというのが妥当だろう。扉の中では巨漢の青年が仁王立ちしている。要はこの巨漢青年が青年二人を突き落としたのだ。巨漢青年は乗客(私ね)が居たことに気まずそうな表情をしていた。私は横をすり抜けるように乗車した。その後、電車の扉が開くたびに大将は子分をホームに突き落とした。突き落とされた子分はしおしおと別の車両に乗り込む。それを追って大将も別車両に移り、また突き落とす。そんなことをしばらくくり返し、視界から見えなくなったので「もう、おりちゃったのかしら?」と思っていたら、子分二人がイソイソと私の車両に戻ってきた。それと同時に女子高生も大量に乗車してきた。また大将くるかしら?と隣車両を見たら、どうも様子が違う。女子高生の群れの向こうで大将の頭がきょろきょろこっちを伺っているではないか。大将、女子高生に足止め状態!それを見た子分二人(ツンツン頭と坊主メガネ)が大はしゃぎで大将を煽る。だが大将は女子高生を掻き分けることも出来ず、焦燥した顔で立ちつくしていた。次の駅に到着するやいなや子分二人はダッシュで走り去ったが、きっとあとで捕まって拳骨の一発でもくらったことだろう。