マイルス・デイビス「TUTU」

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近所の図書館で借りてみました。マイルスのワーナー移籍第一弾アルバムらしい86年の作品。往年のマイルスからすると度肝を抜くようなしょぼしょぼサウンドが微笑ましい。例えるならば、セルジュ・ゲンスブールの名盤「ラブ・オン・ザ・ビート」、もしくは、80年代初頭(1999あたり)のプリンス。そんな打ち込みサウンドの上をマイルスのptが悠々とたゆたう。音は間違いなく時代を感じさせるとかそういう次元じゃなください。明らかに80年代初頭の音。86年に出す音じゃない。なのに、とっても上手くまとまっていて、丹念に作られていて、ptは最高で、聞き飽きない。素材はこんなにしょぼいのにこのバランス感覚はちょっとよくわからないくらいいい。素材はゴージャスでコテコテなのにどうしようもない音楽ってのはけっこうあるものだけど、素材的なセレクトはボロボロなのに、なんかいいかんじの音楽ってのは珍しい。へたうまのマンガとも違う。一流の職人の手でものすごく丹念に作られているけど、実は牛乳パックの家とか、そんな感じのアルバム。