遠藤賢司「ベスト SILVER STAR」

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15年前くらい前に遠藤賢司を見たことがある。渋谷のハンズの向かいにタワーレコードとかたこ焼き屋とかある頃、ちょっと裏手の雑居ビルの二階に画廊があって、いつも独特の、銀座とかのハイソでアートな雰囲気とは違う、ガロっぽくて因果な雰囲気の画廊があったのです。その頃、渋谷に用があったので、結構足蹴無く通っていたのを思い出します。個展の中で有名なところでは友沢ミミヨデブ専漫画家)なんかも開いてまして、彼女は当時既にメジャーでした。そこで遠藤賢司が個展を開いたのですが、たまたまふらーっと見に行ったら、画廊の隅で数人で座談している方々がいらっしゃる。その雰囲気でもう「居るな」というのはわかりました。で、わかったと同時くらいに同行していた広島の知人が「遠藤賢司ってだれよ~?」と、さむーい一言を吐き、その一言が静かな画廊に響き渡りました。一瞬で場は凍り付き、恐る恐る座談されている方々を振り返りますと、爆発した博士みたいな頭をしたやせた男性が、すまなそうに話を続けていました。一人で来るんだった。と、未だ悔やみきれない思い出です。その画廊には渋谷の用事があった二年ほど通っていたのですが、その用事が終了する頃にその画廊も終了になりました(一階に雑貨店があって、そっちは残っていたかもしれませんが、今はわかりません。)
実は私、遠藤賢司といえば「カレーライス」くらいしか知らなかったのだけど、このアルバムを去年の暮れに大山のリサイクルショップで百円で買ってきてそのままにしていたのを今聞いています。このアルバムは、ファーストから五枚目までのベストアルバムで、バックは細野さん系のティンパン陣営、ラストの「踊ろよベイビー」は高中正義アレンジでまんまミカバンドな演奏が飛び出します。フォークというと拓郎やこうせつというよりははっぴいえんどから入ったくちなので違和感なく楽しめました。想像以上に良かった。15年前にこの洗礼を受けていたらもっと深いトラウマになっていたでしょう。聞いていなくて良かった。
関係ないことですが、若い頃の遠藤賢司って、中川家のお兄ちゃんに似ているよね。