Bryan Ferry「Avonmore」

ここ数年のフェリーさんのカバー以外のオリジナル作の方向性は一貫して「打倒アバロン」というか、アバロン越えを目論みようにもやはりどこかしらがネックになって撤退しているような印象を受けるんだけど、ここにおいても「アバロンの再構築」というか、やはり彼方にアバロンが見えてはいるんだけど、遠く及ばないよなという。でいてもうこれは致し方ない問題だけれども、フェリーさんの声がもう、フェロモン枯渇というか、低空飛行なのね。レナードコーエンとかトムウエイツみたいに枯れてもフェロモン残る人は残るんだけど、フェリーさんは残念ながら枯渇するほうの人だったみたい。
それと、パワーステーション録音のアバロンのドラム(リズム)はあくまでファンクやソウルの黒人的な躍動感がキモだったわけだけど、このアルバムはその辺はただの凡庸なロック的ドラミングでとっても萎えます。ロックでダンスなんてありえないわ。
でもさ、ギターのリフとか音色とか、もうアバロンとかボーイズ&ガールズあたりから生き写したかのような徹底っぷりなのになんでリズムがこんなに単調でダサダサなんだろう。そこになんで気がつかないんだろう。
ちなみに私がフェリーさんのソロで一番好きなのは「タクシー」。オリジナルでは「ベイトヌアール」よ。普通でしょ?


関係ないけど、デビッドボウイの70年代LPの今野雄二の解説は果てしなく萎えるよね。萎えるというより、去勢されるような勢いで凄いのよ。今野さんもさっさと涅槃なんか逝かれないできちんとフェリーやボウイを最後まで見届けて欲しかったわ。その役目は担っていたはずだし、それからでも遅くはなかったはずよ。



Avonmore [Analog]
Bryan Ferry
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