小柳ルミ子「来夢来人」

今年のセミもピークは遅めの様子でアブラゼミとミンミンゼミがだいぶもたついている印象。アブラゼミなんかは真夜中でも鳴いているような錯乱状態にはまだまだ至らない。


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とっくに紹介しているかとおもったらまだしてなかったので遅ればせながら。文字通りシングル「来夢来人」収録のたぶんルミ子の最高傑作。これ以上はちょっとないでしょう。歌謡曲ベースのオリジナルアルバムとしてもこれは最高水準のアルバム。歌謡曲歌手のここまでのアルバムはそうそう見かけないと個人的には思う。冒頭の「振子時計」一曲でディスカバージャパン時代のルミ子を回想、総括し、あとはもう躊躇なく怒濤の官能エロスワールドに突入。この冒頭の有無はでかい。まさに振り子が過去からこっちにぶぉーんと振れてくるわけです。お寺の鐘に郷愁を呼び起こされてたかと思えば、渇いた身体に水をあげたいやら、愛の貝殻濡らしたり、私の中であなたが大きくなったり、深くなったり、熱さが増したりとルミ子はやりたい放題。それ以降はほてりを癒すような穏やかな展開になってはいきますが、全体に一本筋が通っており、ラストの「メモリアルストリート」で大団円という流れは見事です。作詞は岡田冨美子が9曲、一曲だけ松本隆。やはりこういうトータルのアルバムは作家を揃えるのが正攻法ですね。あるべきところにあるべき曲が収まっているなという、かなり計算されたアルバムだと思う。






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