松田聖子「Windy Shadow」


大村雅朗による鈍くさい打ち込み全開の10thアルバム。

とはいっても、当時は凄く最先端に聞こえていたのよね。こういう音。当時(84年くらい)FM東京で深夜にアルバム一枚ほぼ全部かける番組があって、そこでエアチェックしたこのアルバムをテープで執拗に聞いていたので所謂、聖子ちゃんのアルバムをきちんと意識して聞いた最初かもしれないわ。大人っぽいというよりはふしだらあばずれ傾向の出だしの数曲を聴いて当時の私は海外生活ってそういうものなのかなとかホゲーっと思っていたけど、次のアルバムで松本外して正当アイドル路線に仕立て直した経路からいって、上層も本意の方向性ではなかったのではと今となっては思ってしまう。いや、松本は聖子仕事が嫌すぎて失踪とかしてた事実もあるし、抜けれて清清してたんだろうけど。ということで婚前の聖子での松本隆ラストワークが楽しめるアルバムでもあるわけだわ。「ハートのイヤリング」は聖子のシングルの中でも特に嫌いな曲なんだけど、こういう残響音アレンジが嫌いなだけなのかしら?でもすごい煮え切らない曲だと思わない?テンポといいメロディといい歌詞の展開といい。前年の「瞳はダイヤモンド」と比べると歴然と劣るわ。でもこのアルバムには「ピンクのモーツアルト」という鬼曲が入ってるのでそれはそれで。ラストの「Star」は林哲司なのねえ。それを踏まえると菊池桃子の「I Will」みたいとか思ってしまう。歌詞はちあきなおみの「劇場」みたいなんだけどね。







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