消えた画風

先日、あるお宅にいったとき、仏壇の横に七福神の絵が飾ってあったんだけど、一瞬で釘付けになってしまった。
この画風、子供の頃田舎の居間とか定食屋の壁とか納屋の奥とか便所の壁なんかで何度となく見たことがあるような画風。筆で描かれたであろう細~太が妙にメリハリついた線、目や肩が強調されてつり上がったような、そして全体として全然かわいらしくない仕上がり。アンチ・ファンシー。そして見ているとだんだん太い部分が浮かび上がってきて、よく魔除けのお札に書いてある悪魔みたいな絵ってあるじゃないですか。あーいうラインが脳にふーと入ってくるんですよ。ゾクっとくるんですよ。でも、この画風、昔はごく一般の、それも庶民の根ざした部分に存在していた、でも現在は完全に断絶されて消え去った画風。こういう文化ってまだまだあるのかなとちょっとゾクゾクしました。