アニマルインデックス→ろけっと→ボイエンシー

キリンジのボイエンシー傑作だわ。いや、いままでのキリンジの文脈の中で「最高」とは言わないけど(個人的には「FINE」から「Beautiful for~」あたりが創作面ではピークだと思う)このアルバム、とても邦風、なんというか、日本的なポップスの造形に則っていると思う。といってもそれは王道ではなく脇道、サブカル?なのか?わからないけど日本の日本流のポップス、ロックの軌道上にどうもあると思う。単純にニューウェーブ的な極をもってそういってんだろ?と思うかもしれないけれどそれだけでもないよ。私何度かこのアルバム通して聞いてふと二枚のアルバムが思い浮かんだの。それはこのタイトルの通りムーンライダーズの「アニマルインデックス」とたまの「ろけっと」。どちらのアルバムもバンドのピークをやや過ぎた頃にひょっと出た傑作。でいてリリースした時の年令もだいたい似た様な頃なのではないだろうか。ボイエンシーはこの二枚に共通する危うさを内包している。中年期特有の焦燥なんでしょうか。よくわからないけど。「アンモナイトの歌」「小さなおとなたち」で締めくくられるエンディングはキリンジの数あるアルバムの中でも秀逸のラストでホラーである。いやぁ見事。でこのラスト二曲が特にその二枚のアルバムとダブる。「小さなおとなたち」の足下をすくわれる様な疾走感あるスネアの刻み方、冴えまくる高樹の詩世界。ホラー。このジャケも彼岸とみれば自然と納得いきますよね。