都はるみ「東京セレナーデ」

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1982年作。演歌歌手のオリジナルアルバムってのは数が少ないので試しに買ってみた。全編、居酒屋、スナック歌謡だなぁ。この頃、こういうの流行ったんだろうな。ソフトで音圧のないアレンジにこれまた穏やかなメロディが乗る。歌の世界観も至ってライトで深刻な文言は無い。全10曲中5曲のタイトルに「東京」が含まれ、それ以外も「銀座」「新宿」「ヨコハマ」と、そういう感じに作家に発注したんだろうなっていう統一感。演歌がAOR目指すとこういうサウンドになるんじゃないだろうか?いや、演歌がAOR風になったって意味ではなくかつての演歌がAORという解釈で変遷するとこうなるんじゃないかって意味で。ある意味、演歌がBGMに成り下がったのがこの頃の演歌であり、カラオケとしての需要を満たす親しみやすいメロディなり、すぐさまデュエットに取り組めやすい難易度の低い曲が並ぶ。かつてのアクロバット都はるみは封印、でも本人はこういう歌好きなんだろうね。以降もこういう歌ばかり歌っていた印象があるし、なんせ無理に歌わされてるってかんじでもない。ちあきなおみは最後まで歌の中で演じることを止めなかったが、都はるみは歌い上げることよりも聞かせることを選んだって事か。ちなみに都はるみはこのアルバムの二年後に引退、90年に復帰し現在に至る。