劇団ひとり「陰日向に咲く」

音ネタじゃないですが、去年の春に貸し出し予約した劇団ひとりの「陰日向に咲く」がやっと順番回ってきた。確か、予約した時が「65人待ち」とかだった。もはや予約したのも忘れ、図書館に別件で行ったら受付で「予約来てます」と渡された。一日で読みました。ストーリーが人物で繋がっていって、これ、最初に構想がないとこんなに上手く綴れないよな、ってくらいに丹念に纏まってます。いわゆる、行き当たりばったりで始めたのでは終われないような話。読んでる間は誰がどう繋がるかなんて分からないから、ひとつひとつ繋がっていく様を頭で纏め上げていって、その作業がなかなか心地いい。しかも、後半になると思わぬところで繋がる。最後は快感というか、昇天って感じでした。一つ一つの短編を絡めて繋げることで相乗的に大きなカタルシスに至るような感じになっています。って、それいったらネタばらすよりひどいかね?もう出版して一年も経ってるんだしいいよね。この小説はいい作品ですが、以降は同じ手はつかえないでしょうから、二作目は難産しそうなきはしますが「繋がり」を排除しても、短編集としてもなかなか味わい深い作品集なので、そういうのあんまり意識しないでどんどん書いて欲しいです。