松田聖子「ユートピア」

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夏になるとアイドル聞きたくなるよねー日本の夏はアイドル歌謡だよねー絶対そうだよねー異議無し。ということなのですが、「アイドルなんてきいてらんねーよ」なんて雄ぶいている殿方の皆様こんばんは、ふぐたです。
にっぽんの夏、アイドル歌謡の夏と一発噴かせていただきましたが、なんていうの?夏の短さ、切なさ、暑さ、儚さ、出会い?そして別れ?(私、ひと夏の出会いとかって皆無なんでそういうのぜんぜんぴんとこないんだけど)そういうのを一番端的に現しているのってやっぱり、そういう、乙女達の夏への胸の高鳴り、キラキラ、そして喪失、やがて達観、みたいなのを一番象徴しているのが実は日本が誇る「アイドル歌謡の世界」なのだとおもうんですよ。そりゃもう、百恵ちゃんの時代からずっとかわらず、80年代中期くらいまではきちんと日本の夏の風物詩として「少女が女になる瞬間を高らかに歌わす」行為がメインストリームで、カウンターカルチャーで恥ずかしげもなく横行していたわけなんです。処女膜何枚あっても足りんぞってくらいに歌う歌歌う歌でときめいて、たかぶって、失って少女達の夏は血塗れで終わっていたわけです。にっぽんの夏、アイドル歌謡の夏。いいもんだよね。
 ところで、この聖子ちゃんの黄金期の大名盤「ユートピア」でありますが、やはりアイドルはいつまでもデビューアルバムのようなアルバムを作らないと長持ちしません。で、この聖子ちゃんですが、実は、松本隆とがっつりタッグを組む前の数枚のアルバムははっきしいって駄作だとおもうんです。もうね、曲調も歌世界も迷い多すぎ(なんというか、70年代と80年代の狭間でキョロキョロ状態)。なもんだから私なんかもう、そういうアルバムは無視して、松本隆と組みだしてからをデビューだと思って、それからこの「ユートピア」までを「聖子ちゃんのファーストアルバム」と定義することにしました。ういういしいフレッシュな聖子ちゃんはこの「ユートピア」まで。それでもすごいことです。凡庸な普通のアイドルは文字通り、ファーストアルバムしかファーストアルバムたらしめんわけですから。その一枚が生命線なわけです。「ユートピア」が何枚目のアルバムかは忘れましたが、ここまでファーストの鮮度を持続するなんて、もう、ただごとではないですよ。凄いですよ! だけど、聖子ちゃんの声、良く聞くとかすれっちゃって、すごく疲れてるよなぁ~最高!なのであります。この次が「カナリア」ですよね。あれはファーストアルバムではないよね。もう、雰囲気が。あぁ、聖子ちゃんもセカンドのステージに来ちゃったなってのを端的に感じるんですよ。ダイアモンド・アイズ。ファーストじゃないよね。ってことで、聖子ちゃんのファーストの鮮度のある最後のアルバム「ユートピア」はやっぱり最高でした。

「ティンカー・ベル」もいいけどね。「去年の恋」なんですよ。やっぱり。それでも素敵!