石黒ケイ「潮騒」

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 オークションの「20枚セット」ってのにずっとこのアルバムが入ってて「バラなら買うのになぁ~」って思ってたら千円にまで値下げしてたのでつい買ってしまった。凄い小包みで送られてきた!このアルバムの他に「思い出のカルメン・マキ」←歌詞カード無しでした「大阪にやってきた」友部正人あたりも含まれていたので、送料入れて2600円かかりましたが、いらない盤をどう処分しようかも含めて、プラスマイナスかろうじてゼロかしら?と言う感じです。
私の石黒ケイ歴は三年ほど前にディスクユニオンで「女は女」を直感買いしたのが始まりで、その時一度聞いて一年ほどほったらかして、その時データに落としていたMP3をなにげに聞き返したら「これはもしかしてもしかするぞ」というんで聞きまくったというのがいきさつです。もうすでに彼女のキャリアの八割方のアルバムは聴きましたがそのファーストインプレッション「女は女」に匹敵するアルバムは有りませんでした。というよりはその時点で「このアルバム(女は女)は石黒ケイのキャリアの中でも異端なアルバム」だということにきちんと気が付くべきでした。このサードアルバム「潮騒」ですが、まったくセカンドの雰囲気を残しておりません。唯一、それっぽい空気を感じられるのが「男そして女」ぐらいでしょうか?でも違います。石黒ケイはジャンルでいえば「ジャズ歌謡」的なニュアンスで語られることが多いシンガーですが、実はアルバム一枚一枚の雰囲気はその度にかなり違うんです。で、私の好きな「女は女」は唯一、ロック的なアプローチで制作されたアルバムであったということです。その他は違う。全く。私の求めていた石黒ケイは結局このサードアルバム「潮騒」の中にも有りませんでしたが、「女は女」を頂上として、石黒ケイは私の中でカタログとして纏まったと思います(といいつつ、まだアドリブは未聴です)。
 で、このサードアルバム「潮騒」ですが、全体的にストリングスをヒューチャーした、イージーリスニング的なアレンジメントでとてもメロウでとろけるようなまろやかサウンドです。前作のやさぐれ要素皆無。半分以上のアレンジは萩田光雄先生が担当。うむむむ。基本的に萩田先生のアレンジならオールオッケーと言ってしまいそうな私なのですが、相性の問題なのか、期待を裏切られた腹いせなのかちょっと物足りなく感じてしまった。でも、氏のアレンジは淡白ながら飽きがこないことで定評があるので(と勝手に思いこんでいる)聞き込むうちに印象変わるかもしれません。でもあれだな。やっぱり矢野誠だな。なんで矢野誠を使わなかったんだろう?前作不評だったのかな?確かに当時だと多少古めかしいアレンジだったかもしれないけど、そうだなぁ、それなんだよな。時代的にあーゆうやさぐれ感ってそぐわなくなってきていたんだよな。あか抜けなきゃ行けない時期だったんだよな。そういう狭間で生まれたのがあの名盤「女は女」だったのね。あー未練がましいね。もーいい。私は「女は女」死ぬまで聞き続けるよ。あーそうするさ。