鈴木ヒロミツ「永遠の輪廻」

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オークションで購入。ジャケの印象からポリドールかと思ったらEMIだった。バックは星勝あたりががっちり固めているのかと思ったら星勝は曲を一曲提供した程度で、アレンジ面でのサポートは全く無し。なにげにモップスからの流れを遮断しているような印象。一曲目からストリングスによるインストで幕を開ける。全体的にこのストリングス調ってのがこのアルバムの基調になっているようだ。曲もほとんどはミディアムテンポのバラードだ。シングルで割と有名な「でも、何かが違う」もアルバム用のストリングスバージョン(地味目)で収録。なんというか、アルバム全体に若者~中年期に至るあたりの焦燥や諦念に満ちた感じで鈴木ヒロミツの朗々とした歌唱もどこか翳りある印象。初期の小椋佳をもうちょっと無骨なおっちゃんの心境で書き直した&中村雅俊「心の色」みたいな感じだ。黄昏しきってます。ほんと、黄昏という印象がばっちりくる内容のアルバムであります。ラストの「別れの手紙」って曲、長い朗読が入る大作なのですが、青柳裕介の短編漫画思い出した。ある男が一山当ててくると女の元を離れて海に出る。男はやがて成果をもって再び女の元を訪れるが、女は余所の男を連れ込んでしけ込んでいる、で、その女が男に言い放ったセリフがこう。「あんたみたいな男に女にされて、男無しで生きていけると思うか?」つーか、このシチュエーションってそのままコッコの「強く儚い者たち」じゃん。鉄板ってことか?