洋書

昨日、図書館に行ったら受付で外人がごねていた。苦情というよりは要望のようだけど私が着いた時にはすでに始まっており、その後、五分以上は延々と話し続けていて、受付の方もほとほと困り果てというか、うまい逃げ口無いかしらと言う具合に「上の方に伝えておきます」「ご希望に添えるよう伝えておきます」と合間合間に挟み込んでいた。その外人が言っていたことは大体こういう事。図書館にある洋書は旬の切れた古い本ばっかりで、流行りのベストセラーや置いてあって当然というようなマストアイテムが全く無い。新刊はどういう基準で選んでいるのか、また、新刊は入れているのか、そういった本が並ぶ日は来るのか、入れてくれる予定はあるのか、などなど。図書館の返答は、リクエストしていただければ入ることもある、他館の本が検索でみつかれば取り寄せることは出来る、日本語のものじゃだめで・・・(といいかけて、口ごもる)など。まぁ、要は遠巻きに「可能性としてないことはないが実現は難しい」ということをはんなりと返答していた。そりゃそうだ。極東の小さな街の市井の図書館の洋書がワールドワイドに充実していたって、読む人いないし。幾ばくか置いてあるそれらの古書並みの洋書もいわば「おあつらえ」でしかないのはごらんの通りで、いわば「お察しください」の範疇でしかないわけだ。それならばいっそ「置かない」という選択もありだったわけだが、くだらないサービス精神?気配り?が結果としてこういう事態を招いちゃったわけだね。確かにこの外人の気持ちもわからないでもない。仮に外国に行くことになって、日本語の本があるという図書館に行き、本棚を見たら赤川次郎椎名桜子しか無かったら、わざわざ受付に言って苦情は言わなくとも、その図書館には二度と行かないと思う。やはり日本人はその辺の「お察し」の心配りが仇としてあり、体裁として古い洋書をカッコだけで置いたり、その逆の場合には察して目をつぶってあげるわけだ。その辺の日本人の体質を見事につっこんでくれた外人は図書館の体制に風穴を開けることになるかもしれないが、わざわざ図書館に来てやな思いするくらいなら、好きな本好きなだけ買えばいいのに。そして図書館はその、無価値な洋書を全部破棄してしまえ。それで丸く収まる。