彼のオートバイ、彼女の島

これは知世のバーターとして貴和子が脱いだってことでいいの?
いや、人身御供として脱いだともいえるのかしら。今なら冷静に分析もできるだろうけど、
仮に当時の知世が脱いでたとしたらその後の知世の方向性も変わっていたと思うし。
出演拒否られてそっくりな姉に白羽の矢がと考えると単純だけど
大林だけど知世的な内容の映画ではないし。
あくまで当初から貴和子ベースでの制作(ヌード条件)は決まっていたけど内容的には知世のバーターになりましたってことか。この姉妹は部位的特徴としてはとても似ているので錯覚としての知世作用は絶大。
そんなおせっかいが当時どれだけありがたがられたかは疑問だけど。


ちなみに脱ぐといっても濡れ場ではなく、温泉で混浴している程度のもの。相方は竹内力
で、貴和子の裸はけっこう目の肥えた今の目で見ても十分きれいな部類。
もう少し胸が大きければ完璧とか思うかもしれないがこういうシーンでデーンって出てもおかしいので
この程度がベストじゃないの?しらないけど。
こういう映画を当時リアルタイムで見てたら私の感性にも少しは影響あったかしら。
この映画は童貞が考え得るヤリチン的青春ファンタジーの限界みたいな内容だ。
主人公の竹内力は音大生でライダーで三浦友和峰岸徹尾崎紀世彦がいるバイク乗りの店でバイトしてるのか?よくわかんないけど。バイトはバイク便。その三浦友和の妹の渡辺典子(もう脇役扱いか!)に手を出してなんだかよくわからない根性勝負をして勝つけど典子とは別れる。旅先でバイクキチガイの(正確にはカワサキキチガイ)貴和子と出会い、混浴温泉で再会。付き合う。貴和子はどんどんバイクにのめり込んで友和に「死ぬぞ」と忠告されるもバイク止められずダンプに巻き込まれあの世逝きという内容になっています。この映画のひどいとこは女性側の心情描写がことごとく削がれていること。男女間の問題が拗れそうになると女が家出したり疾走したりする。唯一ケンカするシーンが貴和子がまだ大型免許取得していないのに竹内力に黙って大型バイク乗った時。そのケンカシーンもあんまりで雨の中帰ってきた貴和子に「革ジャンなんか着やがって」とわざわざ脱がし、脱がすと白シャツが濡れて乳首すけてますよという、見せていいお膳立てあってのわかりやすい演出。
でも一番酷いなと思ったのは竹内力が別れる前の渡辺典子に作った歌(サンシャインガール)があるんだけど、別れた後にその歌が暗いっていうんで音大の同級生が典子のためにリメイクしたのね。それをたまたま竹内力と貴和子がお店に行った時に典子が歌っていたのよ。で、その音大の同級生が経緯を話すと貴和子が「それじゃ私が歌うわ」と勢いステージに上がってオリジナルのリメイク前の歌を自らピアノ弾き語りで歌うんだけど、典子面目丸つぶれじゃない?典子切れるかなと思ったけど、ほぼノータッチで立ち去るだけ。
これ、原作でどうなってるのかわからないけど、片岡義男は何を意図したのかしら?
こんな修羅場を普通に済ましてしまうあたり、片岡氏はそうとう童貞指数高いと見た。
この映画のキモもそこにありそうだけどね。ヤリチン気取っているのに女性への接遇がどうもあやしい。どうも女性が机上の空論に終始している。だいたい混浴温泉で気安く話しかけてご開帳してくれるような女なんていないし。

急に思い出したんだけど私の三つ上の独身のライダーが以前熱心に混浴温泉通いをしていたのよ。女なんていてもおばちゃんかばーちゃんばっかだとかいいながら。もしかして彼も片岡義男の洗礼を受けていたのかしら?映画、見ていたのかしら?彼も貴和子との出会いを思い描いて一つ一つ混浴温泉を潰していたのだろうか?それを踏まえるといい話ね。

あと竹内力の裸もいっぱい見られますけど、私的にはありがたいことないです。

来週はWの悲劇だって~!