中田喜子「白い汽車」

ルリちゃんのゴールデン☆ベストが出るよ。
まだ曲目は全曲出てないけど「夕陽の丘」あたりから収録されるみたいだから薄味な内容になりそう。
60年代楽曲は先のベストで揃ったから70年代をどうにかして欲しいんだけどな。ルリ子は後期。
ゴールデン☆ベストシリーズで内容的に満足なものを望む事が不毛とはわかっているけど。



中田喜子のコンセプトアルバムが上がっていたので。
嫁いでから出戻るまでを描いた四章からなる朗読と唄によるアルバム。
いやー、嫁いでから出戻るまでをたかが30分弱で体感できるなんてすごいお手軽なアルバムですよ。
実際やったら大変なことだし、出来ないし、それがたった一枚のアルバムで叶うんですから。
これは正しいと思います。こういうバーチャルは必要ではないでしょうか。ないですか。
だってすごいですよ。また最初から聞き直したらまた嫁いじゃって出戻るんですから。
それが中田喜子のなんだかよくわかんない心情を元に展開するんだから大変です。
実際やったら因果が増えるわ。戸籍が汚れるわで大変だし、一族のつまはじきもの確定でしょう。
でも、そういう人が聞いても、たぶんそんなに深刻にならないわこのアルバム。
中田喜子の朗読も唄もなんか、しょーもないじゃないですか。最高じゃないですか。
こんなこと生真面目にやったら重いけど、中田喜子のこの「歌手しちゃってるんだわ感」が
本来の世界観を抹消している感じで中和しているというんでしょうか。成功ですね。
これを聞いてた当時の人も「唄に朗読にがんばっている中田喜子」ってところが重要で
内容なんて別にどーでもよかったんじゃないかしら。嫁ごうが別れようが。
だいたい別れのきっかけが、男が登山家かなんだかわからんが雪山ばかり行くので
私より雪山の方が大事だって言うの!?」って程度の話なんですから最高です。
素晴らしいアルバムです。

第二章。鏡みてぼそぼそ言っている頭のおかしい女の章。男も萎えています。

第三章。そりゃ男も雪山に逃避します。10日でギブ。

第四章。置き手紙を残し帰郷。

もしかして、このアルバム舟木一夫の「雪のものがたり」と対かもしれない。
あれは画家が雪山でラリっちゃう話だったけど。