山下久美子「バスルームから愛をこめて」

赤道小町ドキ以前の山下久美子にどうも暗いのでなにげに手に取ってみた山下久美子嬢のファースト。
このアルバム、康珍化先生が7曲書き下ろし、しかも作曲が亀井登志夫
この組み合わせって私ら世代にとってはポリスター期の和久井映見陣営ぢゃないですか!CANCAMAY。
これは聴かねばと50円で入手。

このアルバムの雰囲気、好き。

ジャケットの感じからもっと立てノリの溌剌とした元気印の久美子満載かとおもいきや、
どちらかといえば、もっとおとなしい、やわらかい、ユーミンでいえばパールピアスの
「忘れないでね」みたいなナイトタイム・ミュージックの宝庫。
浅川マキでいえば「淋しさには名前がない」あたりの。やわらかい夜の唄。
なになに?80年代初頭のOLたちは久美子のファースト聞いてひとり枕濡らしてたの?

90年代アン・ルイスの「泣くため用」はたぶん、聞けないけど久美子なら聞ける。

80年代の風情ってこういう感じあったんだね。いや、あった。あった気がする。
でも、一瞬で無くなった。もうちょっとあっても良かった気がするけど。
そういう意味じゃ80年代初頭は変遷が早かったよね。
豊島たづみも近いけどあれはシティポップ寄りすぎるな、久美子のこれは、アパートの匂いがする。