それがあなたの若さの理由ね

多岐川裕美のアルバム六枚買った(うちだぶり一枚)。ビクター・インビテーション期の四枚はコンプ。トーラス期の三枚のうち二枚も入手。裕美はいいよ。なにがいいかはごめん。ぜんぜん説明できない。説明できないけどいいからしかたないよね。そういうことにしといてよ。
とりあえず「酸っぱい経験・濡れてさよなら」にかなうようなアルバムはさすがにないかなと思ったけれど、いえいえ、そうでもなかったです。いいんです。裕美は。特にファーストの「小夜」と「LIVE」に関しては「酸っぱい経験・濡れてさよなら」並のマスト。俗に言う名盤というやつでしょう。インビテーション期の裕美に外れ無し。まぁ「小夜供廚亡悗靴討呂發Δ舛腓辰肇疋薀い任發茲ったかなと思う、つーか露骨に「酸っぱい~」路線を踏襲しようとしすぎてどことなく物足りない感じが残るアルバムになっている。でも「酸っぱい季節」の「すきすきすきすきっすを~」のくだりはかの細川ふみえの「スキスキスー」にさえ影響を与えていると思われる佳曲。「酸っぱい経験・濡れてさよなら」はセレクションだとかいう情報があったんだけど、よくよく内容を見るとファーストとのだぶりは僅か二曲。その他はシングルの寄せ集めにせよ書き下ろしも豊富で内容があそこまでまとまってんだからセカンドアルバムという立ち位置でいいんではないかね。で、ファーストの「小夜」これは名盤。「さよならMr.J.J.」とか無茶な譜割でいいし、「夢売り娘」の「トロピカルフルーツ、私はあなたの、トロピカルフルーツ、私、夢売り娘」のくだりは轢死に残る歌唱。「午前0時の恋人」のムードコーラスとかもどうかしている。裕美最高。そして「LIVE」。これもまた最高。なんかわけわかんないけど、裕美ツボだわ。長谷川きよしの「別れのサンバ」のカバーとか良すぎ。そして三浦徳子が編み出した初期裕美コンセプト「ウブい男をこます年上女」って設定は不朽。やっぱ裕美はいいね。
それに比べてトーラス期はがんばり過ぎなのね。加藤和彦とか久保田早紀とか沢田研二とかいろいろひっぱってきたのはいいんだけど、裕美ってそんな作家がどうだとかそういうのじゃなく、楽曲のクオリティがどうだとかセンスがどうだとかそういうことよりはもっとアホっぽい軽薄なかんじこそが裕美なわけで、そんながんばったところでダメよね。トーラス期は歌謡曲というよりはニューウェーブ、ポップに偏りすぎて私の求める裕美ではないんだけど、「紅夜想曲」の帯コピー、
「おんなのオートクチュール」ってのはわけわかんなくていいよね。