木枯らしのシーズン

土日月と雨だったので夜歩き自重していたのだけど、久方ぶりに夜歩きしたらだいぶ公園の様子が変わっていた。
先週末くらいまでは鳴く虫たちで賑わっていたのだけど今夜は静謐とした静けさの中でまばらに数匹こおろぎがないているだけだった。あの賑わいから言って十一月半ばくらいまで持つかなと思ったけれど、さすがに先日の雨風はこたえたようだった。今夜は冷え込みも加わって虫の鳴くスピードもゆっくり、低めである。アオマツムシは完全にいなくなった。カンタンも確認出来なかった。エンマコオロギはひと桁(暖かい日中はもっと鳴いているかもしれないけど)、オカメコオロギはそれよりちょい多め、まばらに聞こえるのはタンボコオロギの類(この種は鳴き方が多様で一様に限定できないけど、声の細さ、音量から個体の大きさは特定できそうだ)。なんせいままでは公園全体が鳴く虫の声で「サーーーーー」といった感じの音の霧みたいなものが立ちこめていたが、今夜は満月前の月が照らす中、ピンとした静寂が空気を引き締めている。鳴く虫の季節も、もうすぐ終わりだ。

家では一匹まだ羽化していなかったエンマコオロギがいたのだが、羽化失敗していた。どうもここ数日の寒さで羽化の踏ん張りがきかなかったようだ。この一匹だけなかなか羽化しないのでこのまま行けば年越すくらい生きるかもしれないと期待を寄せていたのだけど、とんだ落とし穴だった。温かい部屋に置くべきだったか、まさかこんな寒波と共に羽化するとも予想できず、でも仮に自然界でも上手く羽化できなかったんじゃ無かろうかとも思っている。これでうちにいるコオロギも残すところエンマ一匹とタンボ一匹になった。去年はこの時期まで鈴虫が鳴いていたのだから、あの鈴虫は相当に長寿だったのだろう(遅れて羽化したものが混じっていたのだろうが)。