夏の虫。秋の虫。

彼岸花も満開のご陽気、死ぬならこんな季節。ふぐたです。
今週の水曜日に夜歩きを決行していると、まだ羽化している蝉がいた。
ツクツクボウシのメス。いまからだと十月初旬まで生きるのだろうか。
既にオスのツクツクボウシの声も収まりつつあるのに。
セミというのは基本的にオスの方が早めに地上に出てきて鳴き出す。
だからセミが鳴き出す頃にはメスゼミを探すのは難しい。
これはセミが羽化をして鳴ける体になるまでに多少のタイムラグ(たかが3~5日程度)があるからオスが鳴ける状態になってからメスを迎えるためかしらと勝手に思っていたが、それを考えたらメスだって羽化してからすぐに交尾できるわけでもなく、そう考えるとそれほど深い理由があるともおもえない。でいて、オスのセミの声も収まりつつある九月中旬に羽化するメス。
遅すぎる。
そういえば、うちの鈴虫が九月初旬で鳴くのを終えた。
去年は十月の終盤まで鳴いていたのを考えるとえらい早い。
理由として今年はケースに対しての鈴虫の密集率が高すぎた。
早くから共食いが始まり、八月中にほとんどのオスがメスに駆逐され残ったオスも瀕死。オスとメスでケースをわけたが時既に遅し。それから十日ほどして鳴き声は途絶えた。同じ近親の鈴虫を交配し続けると繁殖数が下がるという話を聞いたこともあるけれど、その影響で虫の寿命が縮むようなこともあるのだろうか?今年の気候も特に虫に厳しいこともなかったし(だいたい室内だし)やはり密集率が大きかっただろうな。
さみしいので夜歩きで拾ってきたタンボコオロギ二匹、オカメコオロギ一匹とエンマコオロギの最令幼虫一匹を入れた。タンボコオロギは夜は細かく鳴くが昼間は弱く伸ばして鳴く。それが弱り切って瀕死の鈴虫の鳴き声によく似ていておかしい。オカメコオロギも昼間は頭にアクセントをつけて静かに鳴く。エンマはあと一度羽化すれば成虫になるだろう大きい幼虫(オス)だ。エンマコオロギは単体だと高らかに勇ましく鳴くが、複数でメスを入れて飼うと甘ったるい緩い鳴き方になってしまう。これはいただけない。このエンマ君には男やもめをおおいに謳歌してもらう予定である。
虫というのはオスがメスを呼ぶもの(セミ、コオロギ、キリギリスなど)メスがオスを呼ぶもの(蚕蛾、シロアリなど)飯場で出会うもの(カブトムシ、蝶など)様々居るが、私はメスを呼ぶオスの虫が好きすぎる。例えばセミに有効な飼育方法があったら私の部屋はセミでいっぱいなはずだ。男の子の声で溢れているはずだ。