渚ゆう子「さいはて慕情」

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秀逸ジャケです!
渚ゆう子というと最初に聞いたのがみうらじゅん監修の「フェロモン菩薩」なわけで、基本的に一般の渚ゆう子のイメージとずれていたりします。だって、つい最近まで「なのにあなたは京都へゆくの」が渚ゆう子のオリジナルだと思っていたぐらいですから。だけど、渚ゆう子が京都を歌うともう、全部オリジナルに聞こえてしまうほど堂にいるというか、凌駕してしまうのは事実。じつはこの「なのにあなたは京都へゆくの」にしても、京都が舞台の歌詞ではないのに、存分に京都チックだったりするのだからすごい。ほんとさすがなのである。
だけどしかし、渚ゆう子というともう一つ「ハワイアン」という側面もあって、沖縄にゆかりがあったり、デビューなどはマヒナスターズに縁があったりしてデビュー曲も存分にハワイアンだったりする。その後路線変更して見事あたったのがあのベンチャーズとの一連の京都シリーズということになる。
このアルバム「さいはて慕情」ですが、タイトルトラックこそさいはてムード満開なのだけど、アルバム中二曲ほどハワイアン調の曲があったり、北国なのか南国なのかどっちつかずでその辺の統一感がどうにも残念な仕上がりだったりする。京都路線に移行しつつもハワイアンと縁が切れない。そんなアンビバレンツがアルバムの評価としては致命的になってしまっているんじゃないかしらん。