これで活動停止前の
石黒ケイのアルバムはコンプ。で、この「情事」なのですが、
石黒ケイのアルバムでも、全ての曲の作詞・作曲を本人が手がけているのってこのアルバムだけだと思う。85年のリリースということで、アレンジ（特に録音つうか音質）に時代がかった印象のある部分もありますが、
石黒ケイ特有のあのハミングっぷり、ブルー
ジーな感じ、なげやり感、場末感。これは裏「女は女」といってもいい名作。つうか、これこそが「
石黒ケイ」のパーソナリティだったんだと、この人はシンガーにとどまっているような存在ではなく、もっと自作の曲で自分の世界をがんがん構築していくべきSSWの人だったのだと確信させてくれる作品。これはやはり彼女自身から溢れ出した世界観だったんですよ。そして、これこそが一番彼女にしっくりきていると私は最初から確信しながら幾多の「シンガー
石黒ケイ」のアルバムに辟易し結局最後にこのアルバムに出会うわけです。皮肉なもんです。
石黒ケイ聞くなら「女は女」とこの「情事」は絶対外せない。そう断言しておきます。
