森進一「湯けむりの町」

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今年上半期の邦楽界の話題を独占した感のある「森進一おふくろさん騒動」でしたが、結局物別れのままに収束に向かったようですね。身から出た錆ってところでしょうか。そんな森進一の昭和50年リリースのフォークカバーアルバム「湯けむりの町」が復刻になったんですね。って、図書館になきゃ絶対聴くこともなかったと思うのでこの機会に借りてみました。推測するに吉田拓郎提供の「襟裳岬」のメガヒットに気をよくしたビクターがフォークの名曲どこをかき集めてレコーディングしたのがこのアルバムのようです。早速聞いてみたのですが、進一節といえばあの「泣き」なのに、このアルバム、全編にわたってかなりハイテンションなのです。オリジナルでは少なくともしんみりな「心もよう」も、全開でからっと歌ってしまい、すごくあっけない。もう、ふっきれたかのようなかろやかさ。湿っぽくない。バックのビクターオーケストラの演奏は、フォークをイージーリスニング調にアレンジしたような軽やかなもでとってもいいです。岡林の「山谷ブルース」、湿っぽくない。どうしちゃったの?ってくらいの平常心歌唱。これさ、たぶんものすごく目論見外れて居るんじゃないかな?方向性間違ってるんじゃないかな?ってくらいにブルースしてないのさ。「襟裳岬」は不思議としっくりくる。この曲って新しい季節への期待感みたいのを歌った歌だからこのくらいあっけらかんと歌ってちょうど良い。みんな想像してみて。この「襟裳岬」のテンションでこのアルバムの曲は全部歌われているのだ。変でしょ?ある意味凄いでしょ?それゆえかとても聞きやすい仕上がりにはなっています。BGMで行けます。唯一、11曲目の「妹よ」(こうせつのアレではない)のみ進一節炸裂してました。なぜかひと安心。