浅丘ルリ子「浅丘ルリ子のすべて~心の裏窓」

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一家に一枚レベルの超美麗ジャケ&インナー、そしてちょっとわけわからないくらい悲哀にあけくれる曲多めなこの頃の浅丘ルリ子はまさにイッちゃってる乙女のバイブルなのです。私的には「シャム猫を抱いて」とかお洒落さんアイテムはノー眼中なのです。ルリ子といえば「愛の化石」であり、「別れましょう」であり、「愛しつづけて」であり、「愛はひとすじ」なわけです。そういう意味ではノイローゼ純度を最高潮まで振り切ったたぶん次作の「浅丘ルリ子~愛をうたう」こそが浅丘ルリ子の最高傑作であり、伊東きよ子の「23時の女~ラブ・イン」と並ぶ歌謡界の悲恋ノイローゼ完鬱的名作といえるでしょう。このアルバムこそCD化すべきアルバムだと思います。歌詞に「めくら」とか出てくるから完全版は難しいかもしれないけど、つーか「浅丘ルリ子70’sコンプリート・レコーディングス」も絶対出すべき。それより「浅丘ルリ子全音源ボックス」絶対出すべき。テイチク!頼んだ!

だけど、謎なのは浅丘ルリ子といえば当時売れに売れた女優だったはずなのに、なんでこんなにダウな別れの歌ばっか歌っていたんだろうか?朗読六割のアルバム「霧の夜あなたと」の朗読のほとんども完全にノイローゼだし、このアルバム聞いた当時の男性ファンの殆どはEDになったに違いない。

初の単独CD復刻となった「心の裏窓」ですが、マスターテープからのデジタル・リマスターで、音質も安定しています。(特に「愛の化石」は近年のCD盤によっては音がこもっていたりするのがありましたけど、このアルバムのは比較的安定しています)。60’sコンプレコお持ちの方も気になったら入手しておくのが先決かと思いますわ。

そいえば、今年の初めくらいかな。NHKのスタジオパーク浅丘ルリ子がゲストで来てて、「実はね、わたし、女優よりも歌手になりたかったの」とおっしゃって司会の方が「でも、浅丘さんレコード出されてましたよね?」と問われ「うーん・・・」みたいな返しをしていた。どうも別の次元の歌手をイメージしている感じだった。でも、特殊(女優)な立場の歌手活動ゆえ個性的な(朗読が多々入るとか)レコードがいっぱい制作されたことは私的には喜ばしいことだったと思います。