Donna Summer「I'm a rainbow」

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81年制作のお蔵入りアルバム。移籍問題で発売がうやむやになったのかと思っていたけど、レーベルの会長、ゲフィンがアルバム内容が気に入らなくてお蔵入りにしただけのようだ。そのアルバムがその後の移籍やバックカタログのリ・イシューなんかの関係でついにお目見えしたのが今から十年前の96年だそうで、そういえば当時ちょっと話題になっていた記憶はある。さすがに買うまでに至らなかったのだけど。カサブランカからすごい金額でドナを引き抜いたゲフィン。そうとう期待かけたのだろう、下手なアルバムは出せないし、こけたりしたら大損害、それならばとお蔵入りさせた心意気は買う。だって、このアルバム、なんかゆるいのだ。マーキュリー時代の攻撃的なメリハリというか、躍動感は無いし、音色もどこかださい。ディスコではないし、ダンスとしても弱いし、ロックでもないし、ソウルってほどでもない。ましてテクノでもないのだ。どうしたモロダー?なんでこんなに霞んだ音作ったんだ?鮮味ゼロじゃん?たぶん、当時の81年に聴いたとしてもそれほど印象違ってなかったと思うぞ。なんだか、自分の管轄外の音を狙ったら思いの外持ち味が死んでいたってかんじの仕上がり。これ、絶対売れなかったよ。ゲフィンの判断、正解。だけど、ドナを自分のレーベルに引き抜いたのは大誤算だったようだ。のちのドナのしりすぼみっぷりを踏まえても。14曲目のテクノっぷりいいけど、これでさえ、カサブランカ時代のたいしたことない曲に負けている気がする。不完全燃焼ですね。お蔵入りになるからにはお蔵入りになるだけの理由があるって言うのがよくわかるアルバム。