なべちゃん

渡辺正行って、なんでM-1の審査員してるのかなぁって、それほど深く考えたことはなかったけど、でもその度に少しは胸につかえるものがあったからネタにしているんだとおもうけど、このごろ少しわかってきた。なべちゃん。赤信号のリーダー。ちんぴらコントの赤信号である。もう、その程度しか認識ないし、あまり笑った記憶もない。それに「天下取った」ような時期があった記憶もない。そう。実はあまり関係ないのだ。赤信号は。赤信号が面白いとかつまらないとかお笑いのセンスがどうだとかコーラの早飲みは芸に入るのかとか全く関係なく、この人、若手芸人の面倒見がすごく良いみたいなのだ。関東芸人の苦節時代の感謝話を聞くと必ずと言っていいほどこの「リーダー」が登場する。そして「リーダーがあのとき居なかったら芸人辞めていたかもしれない」みたいな展開に確実になっていく。しかも不思議なことだけどそれはあくまで「舞台裏」の話であって、テレビでリーダーとそれらの若手芸人が絡んだりしている姿を見たことがほとんど無い。「若手芸人の面倒見の良いリーダー像」はテレビ媒体では隠されている。それゆえ違和感が残る。すっきりしないのだ。たけし軍団や他の内輪的お笑い集団ような濃密さを感じない。でも、後に売れたことを「俺のおかげ」などと鼻にかけることもなく(実際は知らないけど)若手の苦節感謝トークに登場するリーダーというのは、「売れない若手芸人にとっての神様」みたいな存在であると同時に実は「関東芸人の踏み絵」的ダークホース的存在になっていったように思う。いわば地固めである。実際、ここ十年、もっと前から赤信号なり、なべちゃんがタレントじゃなく「お笑い芸人」としてテレビに出ているのを見たことが全くないし、お笑い芸人としては完全にご隠居状態のなべちゃんが「M-1の審査員」をしているのはやはり微妙だ。だが「リーダーに足向けて寝られない」という若手芸人がわんさといるという事実、これがある限り、なべちゃんは「若手お笑いのご意見番」たりえるのかもしれない。テレビのこっちじゃうかがい知れない話だけど。うまいことやったよね。

蛇足:以前、リーダーのお宅拝見って番組見たことあったんだけど(ファンか?)その時の愛犬のリーダーへのなつきようが尋常でなく「この人、もしかしてかなりいい人なのかな?」って思わせる瞬間だった。その反対に愛犬が怯えきって白目向いて逃げまどっていた大仁田厚はものすごい性格悪い人なんだろうなぁって思いました。いや、普段そうとう虐めなきゃあんな反応しませんよ。犬は嘘付かない。