重松清「なぎさの媚薬」

図書館のリサイクルでもらってきた。重松の官能小説の序編。
前編の「敦夫の青春」だけでおなかいっぱい「硏介の青春」はごめん、読み切れなかった。
ぜんぜん入り込めないんだもん。ちんぴくもしなかったわ。

要するに私の中には救いたい過去の自分もなければ救いたい他人もいないってことなのかしら?いや、そもそもわたし、娼婦に求める物がない。むしろなってみたい側よ。娼婦。わーたーしが~しょうふ~になったならぁ~
だからもっとなぎさに感情移入できるものがあれば読めるのかもしれないけど、なぎさはストーリー的には触媒でしかなくって、巫女みたいなものでどんなにセックスしてもなぎさ側の気持ちは分からない。こういうストーリーだから過去にスポットが当たって現実の二人は飛んじゃってる。ここが要なんでしょう。世の大多数の殿方は、こうなることで最高に楽しめるのですよね?ここがカタルシスなんですよね?疲れを知らない若き日の自分がかつて結ばれなかった思いでの人となぎさを通じて結ばれる。
わたし、一般の男性との感性の乖離ってのをここまできっちり文章で示されたことなかったわ。こういうのでなぐさめられちゃうんでしょ?活力になるんでしょ?わからない、わからないわ。男の子の気持ち ハ・テ・ナ?
男とオカマの間にも深くて暗い河は存在しているのよね。好きよ清。

このシリーズ、女性には不評でしょうな。

そうか、これは風俗版の笑うセールスマンみたいなものか。なぎさは喪黒福造なんだな。