禁じられた恋の島

私もかれこれ25人ほどのお客を抱えることになった。女性七割、男性三割くらい。
年令は41~95と幅広い。いろんな方がいてこんな仕事していないと出会えない人ばかりだ。
親分のAさんは最初は気むずかしい感じだったけど、血液検査のアルファベットをネットで調べてプリントアウトして届けたら気に入ってもらえた。今では脳出血で麻痺ぎみの右腕をゆっくり下ろすと下りるけど勢いよく下ろすと痙攣するという体を張ったギャグを披露してくれるまでになった。腕にスミが入っているので私はついつい聞いてしまったら「昭和三十年ころ、山から山にロケットビューンと飛ばして橋かける現場で仕事してて、みんな落ちでばんばん死ぬから自分が死んだ時身元がわかるように入れた」と言っていた。痺れんばかりのカッコイイ親分だ。シルエットはほぼ富三郎。
兄貴のBさんは南国出の白鵬のような感じで引き継ぎの先生に「ちょっと恐い感じだけど」と言われたけどすぐ馴染めた。全身毛むくじゃらでフェロモンの塊の様な感じ。南国男子特有のひとなつっこさとシャイさを秘めた面白い兄貴なんです。奥さんかわいい。
旦那のCさんはのびたのパパが老けたような感じだけど奥さんは面白い感じ。施術して話しかけないでいるとすぐ寝ちゃう。しゃべりや声が男前。

主軸はこの三人。