最近の大食い批判

マスコミからにわかに出てくる批判って、情報操作的で(たとえば街角インタビューでも賛成意見ばかりを拾い集めて放送して、いかにもってかんじに仕立てたり)胡散臭いものが多くうんざりなのだけど、このごろ批判ブームの渦中にあるのがこの「大食い批判」。テレビなんかではまだしも、悠里さんのラジオなんかでも嫌悪をこめて大食いを批判しているのをもう、数度耳にした。なんか煽られてるような気がする。確かにここ半年くらい節操なく大食いを扱う番組が増えた。昔で言えば大食い=素人だったのが、大食いタレントが現れたこともあって大食いがより扱いやすくなり目にする機会が増えたからだろう。でも今現在を「大食いブーム」と括れるほど大食いが流行っているとも思えない。そもそもの大食いの起源は故・ナンシー関の書籍を参考にするとテレビ東京の「大食い選手権」だったと思う。赤坂さん時代。人気は博すもあくまでマイナー調、サブカル芸的な扱いだった。その後、類似番組をTBSが制作し大食いがさらに拡大(第一期白田時代)するも視聴者の中学生が大食いを真似て死亡するという事故を受けて大食いという分野は完全にテレビから淘汰された。大食い暗黒時代到来である。この時点で「大食いは危険」という批判はあれど、大食いそのものを否定するような意見は少なかったように思う。いわゆる大食いは一部の特別な人の得た特殊才能であって出来ない私たちにとっては単純に羨望、驚愕の対象でしかなかった。赤坂さん、白田の登場はまさに「超人」という印象だったし。もちろん当時でも大食いに嫌悪を持つ人はいたとは思うけどそれをとりあげるほど世間が大食いにピンと来ていなかったように思う。レアだった。棲み分けが出来ていた。今の大食い批判は大食いが安易に媒体に浸透しすぎた弊害として出てきているのだろう。食べ物を粗末にしているという意見もごもっともと思う。貧困な時代を生きてきた世代ならなおさら。やはり節操なく大食いを取り入れてしまうのは批判も起きて当然と思う。そこから考えると大食い選手権のテレビ東京の立ち位置、扱い方こそが大食いの正道だったように思う。あそこが結界。故・ナンシー関が「テレビチャンピオン以外の大食いは邪道」的なことを言ってたが、確かにその通りだった。