華原朋美「You Don't Give Up」

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セカンド「Storytelling」からのシングルカット曲。小室哲哉のキャリア上でも珍しいAOR的風情のあるバラード曲。良くできた曲だとは思うけど物足りないのは歌詞。まとまっていないというか節々に意味不明な要素があって聞くたびに「なにを?」「なのが?」と突っ込み入れたくなる。ここさえクリアしていたら相当な名曲。「たのしく たのしく やさしくね」以降の華原のボーカルの不安定ぶりも存分に生かされた。なんというか、寝そべってべろんべろんで歌ったとか、酩酊なのではって感じのベクトルの吹っ切れっぷりがこの頃の華原の持ち味ではあった(単純に歌が下手とか音痴とかそういう基準ではない悪い意味で自由なボーカルなのだ)。結果として良識的なリスナーはこの辺で離れていったというのが作風から如実にわかるのが面白い。ちなみにこの頃小室は海外戦略に熱心でJean MIchel Jarreとの競演の他、Speed2のアレとかアジア系のシンガーの発掘などに尽力するも芳しい成果は得られなかったように思う。その辺の自己満足か結果的には挫折感みたいなのが良く現れた曲にはなっています。